義理と人情を忘れない昭和の昔気質の水商売の女性の薄幸ながらも、一人息子の成長を楽しみにしながら淡々と大都会で生きていく日々が昔も今も大きく変わらない感覚で観賞できた。
今は落ちぶれてしまった男との間にできた子供との母子家庭の母親という立場であっても、女である限り男との幸せを夢見るが、独身の若い妹に想いを寄せる男性が好意を持っていることを知ったときの物悲しい女心が見事に描かれている。
昔に世話になっていたが今はもう落ちぶれてしまっている情人との関わり合いにも心優しく接する昔気質の女性らしさに、現代のドライな人間関係とは違う温かさが感じられて感動してしまった。