スポックさんの映画レビュー・感想・評価

スポック

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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.5

岡田准一のだらしない男の役作りが見事だった。

ロストケア(2023年製作の映画)

4.7

人間社会世の出来事のほとんどは綺麗事では済まない。

人間以外の全ての生き物の終焉は野垂れ死にだ。
高度に管理され細かくルール決めされた日本を含めた先進国では、人権や衛生面や感情的に管理外の野垂れ死は
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コンティニュー(2021年製作の映画)

4.5

スピードの速い展開で楽しめた。

何度も人生をやり直しているうちになにが自分にとって一番大事なのか、何が家族にとって一番大事なのか、何が世界にとって一番大事なのかの重要度が階層的に解明されていく様がワ
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96時間(2008年製作の映画)

5.0

今まで観たアクション映画の中でも上位に面白い作品だった。

家族を守るためだけに真っ直ぐに父親が闘う。
社会体制や正義や法律などにはまったく目もくれずに娘を救い出す究極の目的のためなら、殺して暴走して
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

5.0

役所広司は素晴らしい役者さんだと改めて感心した。
世間の道を踏み外した犯罪者が出所後の風当たりの強さにめげていく難行を題材にした作品だった。
冷たい世間が悪いのか、生まれながらにルールを守れずに自己中
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.5

普通の男子が彼女に告白するまでの葛藤。

恥ずかしくて、怖くて、心配で、めんどくさくて、自尊心に邪魔されて、言い訳ばかりしながら、自分の勝手な妄想でイメージが膨れ上がった好きな女子に告白するまでの数え
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稲妻(1952年製作の映画)

5.0

異父姉妹達とそれぞれの夫達が繰り広げる自分本位な群像劇。
金と利権に振り回されて甘え合い奪い合う、半分血が繋がった姉妹達と全く血が繋がっていないが社会的に最も近しい間柄の夫婦間でのドロドロとした関係が
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あなたと私の合言葉 さようなら、今日は(1959年製作の映画)

5.0

洒落た女性映画だった。

ドラマチックでは無い日常のトーンの喋り方と押さえ尽くしたような静かな演技が小津安二郎監督の様式のようだったが、市川監督のその後の横溝シリーズにもちょくちょく使われた感情のある
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氷点(1966年製作の映画)

4.0

若尾文子の大人げなく自己中心的で浅はかで支離滅裂な妻であり母親でもある裕福な家庭で育った女の演技がたまらなく良かった。
『妻は告白する』や『清作の妻』で演じたように思い詰めたら何を仕出かすか分からない
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(1939年製作の映画)

3.5

貧農の小作人達の明日をも保証されない厳しい日常生活が淡々と描かれていて閉塞感でいっぱいになる。
家族の労働力が今日明日の生死を分ける最大の頼みの綱で、家族の主力である女房の突然の死がその日暮らしの生活
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不知火檢校(1960年製作の映画)

4.5

異色過ぎる時代物。

極貧なうえに目が不自由な最悪の幼少期を過ごすが、生まれながらの悪知恵と自己中心的な実行力と人心掌握力で極悪非道の限りを尽くし頂点の位にのし上がるが、細やかな悪知恵の手違いで身を滅
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最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

5.0

空襲で焼け野原になった東京で戦後たった13年程しか経っていないのに、こんなに自由な雰囲気のしゃれた日本映画ができるとは、戦後の日本人の復興と民主化への劇的な順応は素晴らしいと感じた。
昭和初期の軍部主
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

5.0

日本のアクション映画も凄いレベルだと驚いた!
アメリカのアクション映画のように銃を撃ちまくり爆発が大量の火花を上げまくり丸太のような太い腕からぶんぶんパンチを繰り出す力任せの派手なシーンではなくて、き
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(2023年製作の映画)

2.0

北野武監督らしい破滅的な破天荒な戦国時代劇。
名だたる戦国の武将達は過去に幾度となく描かれてきたような人間的に偉大で尊敬に値するだけの人物ではなく、破廉恥で下劣な欲望と暴力と卑劣さで天下を取ったという
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妻二人(1967年製作の映画)

3.5

若尾文子の真面目なキャリアウーマン主婦が色っぽく苦悩する。

女の勲章(1961年製作の映画)

5.0

田宮二郎の達者な演技に魅せられた。
女性達を手玉に取り次々と野望を成し遂げていくが、冷徹で手段を選ばない卑劣なインテリが、法律や人脈や巧みな司法の抜け穴を高度な知識と実行力でのし上がっていく様が逆に心
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その夜は忘れない(1962年製作の映画)

5.0

予備知識が無かったので衝撃的だった!
いままでの若尾文子、田宮二郎の共演では陰の社会でうごめくような陰湿で反社会的な題材が多かったが、こんなに真っ向から社会性のある重たいテーマに乗せた純愛映画だとは思
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温泉女医(1964年製作の映画)

3.0

平和過ぎる人情コメディになぜか似つかわしくない女医役の若尾文子が出演。
当時の人気絶頂の性格女優の若尾文子が、とにかくコメディにも顔を出して挑戦したという感じの作品。

中村鴈治郎の誰彼構わず若い女性
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薔薇いくたびか(1955年製作の映画)

3.0

若尾文子の艶っぽさをを追いかけて続けざまに過去の映画を観ていて出会った作品。
若尾文子、京マチ子、山本富士子の3大女優が出演していたので、現在のようにコンプライアンスにガチガチに縛られて型にはまった生
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日本橋(1956年製作の映画)

5.0

昔の花柳界のどろどろとした妬みや嫉みの人間関係や、大金が絡んだ旦那の囲いものになりながも技芸との間に相互に生まれる男女間の愛情や確執がよく分かる作品だった。
花柳界で実力があり勢力を伸ばし一本立ちする
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美貌に罪あり(1959年製作の映画)

4.5

高度経済成長時代に取り残され、そして翻弄される人々が自らの将来のために己の道を模索しながらも互いに助け合い必死で生きていく姿が逞しい。
まったく異なるそれぞれの将来への夢を追いかけながらすれ違うも、男
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東京おにぎり娘(1961年製作の映画)

4.0

大都会の東京の下町で時代とともに移り変わらざる得ない市井の人々の暮らしや考え方はいつの時代でも一人一人の生活に嫌が上でも押し寄せてくる。
戦争で焼け野原になり生活の為になんとか復興を遂げ暮らしを立てれ
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好色一代男(1961年製作の映画)

4.5

若尾文子の落ち着いた独特の声は、どんな汚れ役でも下品な役でも反社会的な役でも猥褻な役でも卑劣な役でも…なぜか冷静で上品な印象で演じきれる稀有な女優だと改めて認識できた。

不倫(1965年製作の映画)

3.5

遠い昔の昭和40年代の斬新な男と女の関係を実験的に描いた作品。
不倫という責められるべき関係を避けるために籍をいれず夫婦とならずに放蕩な男女関係を追い求める新進気鋭の若手の物書きが結局は2人の女性に翻
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処刑の部屋(1956年製作の映画)

4.0

昭和20年代の大学生は威勢がよくて反社会的で現在の学生よりも野生的で大人びている。
戦後間もない日本の不安定な状況も影響しているのであろう。
若尾文子の魅力が発揮されずに終わってしまうキャスティングだ
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爛(ただれ)(1962年製作の映画)

5.0

若尾文子の柔軟な演技力と、上品さも下品さもさらっと演じ切ってしまう存在にまたもや改めて魅入ってしまった。
嫉妬心も熱情も計算高さも実行力も兼ね備えた俗物の自己中心的な女を、何の不自然さもなく高いレベル
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赤線の灯は消えず(1958年製作の映画)

4.0

売春婦として赤線で働いた過去は世間から冷たい目で見られ就職も結婚もできない。
普通人としての人並みの生活が困難などころか、売春婦としての過去のせいで色眼鏡で見られて平凡で平穏な生活すら過ごすことができ
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十代の性典(1953年製作の映画)

3.0

女性だけに求められる純潔や処女性の重要さに翻弄されていた時代の日本。

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

5.0

面白くて的確なしかし実行に困難が伴うアイデアを発案して、それを人を欺いてでも実行する行動力が重要。

ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して(2010年製作の映画)

5.0

人生においてバードウォッチングをする情熱や楽しさや状況がよく分かる映画。
多くの野鳥の小さな身体で飛行能力を活かして人間が勝手に決めた国境線などの制約もお構い無しに季節ごとに地球を壮大に数万キロも旅す
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