ぺん

銀座化粧のぺんのレビュー・感想・評価

銀座化粧(1951年製作の映画)
4.2
シングルマザーとして銀座で働くホステスを田中絹代が演じる。
生活に疲れ、憂いを帯びた主人公は人生に諦めを感じているように見えて
金を無心する昔の情夫のこともすっぱり切れないでいる。
戦後の銀座で生きる人々の暮らしぶりが描かれていて面白かった。
夜のクラブで歌を歌う少女、街で遊ぶ子供たち、長屋で布団を敷く息子。
大人の狡さも見える夜の世界と対照的な、はつらつとした子どもたちの姿。
そんな子どものような純粋さを持ち続ける青年に、僅かに心動かされる主人公が甘酸っぱい…
けど一番気がかかりなのは我が子なのよね。

無数の見えない星も輝く銀座の街、しみじみとする例え。
今まで全く見たことのなかった成瀬作品に触れられて、Netflixに入ってよかったです。
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