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サザエさんの青春のmitakosamaのレビュー・感想・評価

サザエさんの青春(1957年製作の映画)
4.0
江利サザエ3作目。今作から総天然色カラーへ。それもあってか江利チエミの演技が凄い張り切っているように見える。
1作目がマスオとの出逢い、2作目が婚約と両親の顔合わせ。今作は花嫁修業がメインとなる。
結婚までに随分引っ張る気もするが、当時の結婚というものの価値観が重かったことも判る。やはり当時は結婚は個人のモノと言うよりは家と家との繋がりというニュアンスも大きかったのだろう。あくまで磯野家の長女の結婚なのだ。

そして今作からはカツオの子役が変更。チョット背が高くなった。イタズラが冴えまくってる。
ワカメの松島トモ子は原作基準でミニスカワンピのパンチラだが、足が長くてキュートだ。

前作でイササカ先生だった三木のり平は別のキャラとして登場。他にもチョイ役で有島一郎や益田キートンなども登場してる。豪華だなぁ。

サザエさんは相変わらずのドタバタぶり。家事をやってもお茶碗を割りまくり。デパートでバイトをして波平の上司に気に入られる。お陰でマスオがいるにも関わらずお見合いさせられてしまう…と言う展開。

お見合いがマスオさんにバレて破局寸前になり落ち込むサザエ。恋愛に関してかなりセンチメンタルな様相を見せる。サザエさんらしからぬ描写だが、コレが実にキャラクターに深みを与えている。
元気づけようと参加させた運動会で一等賞を取り、誤解の解けたマスオさんと景品を見たらなんと夫婦茶碗!カツオに「どうせ割っちゃう」とツッコまれるのは前半のドタバタが前振りになっているからだ。このラストの実に見事な脚本に感服するわ。
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