くるみ

夏物語のくるみのレビュー・感想・評価

夏物語(1996年製作の映画)
4.5
夏の海と恋とバカンス!中世の名残りを感じるリゾート地が舞台。主人公の青年が同時に三人の女性との恋に揺れて、一人に絞りきれず色々やらかすお話。
ロメール作品でお馴染み「取り巻きが鬱陶しくてブスが羨ましいですわ」と涼しい顔で言えちゃう女が登場するけど、いつもの着地とは違うのが面白い。青年ガスパールの煮え切らなさ、女達はイラつく様子だけれど観てるこちらは嫌味を感じない。
若さゆえの落ち着かない感情が、深く心に刻まれる程うまく表現された作品で、それが会話に柔軟に溶け込み自然に感じられる。
そしてルノワールを連想させる草花たちの淡い緑と柔らかな自然光が、安らげる空気を作っていたり、ビーチにさりげなく城壁が映り込む絵画的ショットばかりで監督のセンスには驚かされてばかり。
くるみ

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