朝田

彼奴(きやつ)は顔役だ!の朝田のレビュー・感想・評価

彼奴(きやつ)は顔役だ!(1939年製作の映画)
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べらぼうに面白かった。アメリカ史の変動、悪の道に逸れていくギャグニーの栄枯衰退、仲間との裏切りやシンガーの女との関係など様々なドラマが詰め込まれた脚本を2時間以内に語りきる簡潔な語り口に圧倒される。90sスコセッシ映画のような語りのスピード感を30年代に既に実現させているウォルシュはやはり凄い。倉庫で警備員を殴ったり射殺していくといったような、暴力が発動される瞬間を柱で隠したりシルエットのみで見せたりと不穏さを醸し出す演出も素晴らしい。ロケーションの選び方が冴えていて常に画面が格好いい。ラストの横移動の切なさにもグッとくる。
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