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音のない世界でのreinaのレビュー・感想・評価

音のない世界で(1992年製作の映画)
3.8
聾学校の様子。少し前に韓国で聾の学生が手話で高等教育を受ける権利を主張するデモを見た、発話や字幕にフォーカスするのではなく聾の人々が手話で大学の授業を受けられるべきであると。

フランスの小さな聾学校の生徒たちと先生。まだ小さい子たちが先生と発音を勉強している。補聴器を着けても聴こえにくい子がほとんどなので、口の開け方と先生が発音している時に生徒の手を先生の喉に当ててその振動をもとに音を覚えていく。聴こえない音を再現することってどれほど大変なことだろう。たとえ聴こえても外国語の発音はすごく難しいのに。

自身も聾である学校の先生。休みの日に劇場へ行き映画を観に行くのが好きで、学校へ行くとクラスメイトたちが集まって彼が観た映画の話を手話で聴いたそうだ。光景が目に浮かぶ。彼の話はどれも印象的だったが一番印象に残ったのは彼の子どもが生まれてその子が健聴者で少しガッカリしたという話だった。「聾だったら親の気持ちが分かったのに」と言っていて、聾の人々は確かに社会的に見れば障害者だが彼らには彼らの独自の世界がしっかりと存在すると思った。私は精神障害者だがおそらく私も含め多くの当事者は子どもが精神疾患を発症しないかビクビク怯える人が多いのではないだろうか。(そもそも子どもを望まない人も多いと思う)

日本でもテレビや映画やコンサートなどでも手話の対応が進むといいな。
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