記録
【究極のマザコン映画】
『好奇心』はルイ・マル67年に行ったインド講演旅行の折、その風景に驚嘆し2本のドキュメンタリーを完成させたあと、フランスに戻り手がけた作品。インド体験を経た彼が、自身の少年時代を見つめ直し、新たな処女作のように撮りあげた。今作の場合、童貞作と呼ぶ方が正しいのか…?
特別良いとは思わなかったが、そこまで悪いとも思わなかった。ルイ・マルの、その上思春期の『大人は判ってくれない』と呼べば聞こえはいいが、あの作品のような力はない。しかし、一種の奇妙さを孕んでいる中々癖の強い作品だった。この奇妙さを煮詰めまくったものが『ブラック・ムーン』であり、中期ルイ・マルの特徴なのかなとも思った。
皆さん安心してください、近親相姦は作劇だそうですよ!近親相姦の描写は当時(なんなら今も)センセーショナルだったのだろうが、やや過剰な気も。まぁ何故か後味はそこまで悪くなかったから良しとしよう。
劇伴はもうチャーリー・パーカーしゅごしゅぎッ!!となっていた、ちょっとズルい気もするけど。
味の無くならない変な味のガムをずっと噛んでいた感じだった、逆にこんなキモイ映画を撮れるのは彼しかいないんだろうな。
2023,306本目 11/21 DVD