被験者に対してムカデ人間手術の方法をアカデミズムに理論立てて説明しているところがハイライト。それは肩透かしを食らうことになるのだが、説明図の不気味さがムカデ人間の造形に期待感を煽る。
これだけの地獄のアイデアで映画を撮っおいて、こだわりが有るのか無いのかよく分からない。一貫性が無く作品全体に行き当たりばったり感が漂っている。
それは、登場人物の行動原理に関しても言えることだが、演出なのかただ人物描写が行き届いていないだけなのかは分からない。
一貫性が無いことがサイパス医師に関しては良い作用を生んでいる。ムカデ人間の造形には強いこだわりを見せる反面、ビジュアルへのこだわりが稀薄な事が、ただ繋げたいだけという狂気を引き立たせている。
ムカデ人間完成披露が日中のリビングなのがすごく気持ち悪くて良い。
ヤクザの兄ちゃんの関西弁には目を瞑るとしても、あの刺青さすがにダサすぎる。