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蛇娘と白髪魔のmitakosamaのレビュー・感想・評価

蛇娘と白髪魔(1968年製作の映画)
2.8
楳図かずおのマンガ寄せ集めでの映画化。だけど楳図らしさはみじんも無いな。でも時代背景を考慮しないとな。
今の時代のマンガ原作映画は、やれ原作へのリスペクトだ原作の再現度だ言われちゃう。
そういう時代じゃ無いものな。マンガはあくまで映画の脚本の材料でしかないよ。今と昔とどっちが良い悪いじゃ無くて。

でも楳図かずお自身もタクシーの運転手役でカメオ出演してるんだよね。ノリノリで映画に出てるし好意的なんだよね。

ただ楳図らしさを無くした分、後半ミステリー的に話が進む。これで映画らしさがグンと上がってる。

しかしなあ、前半劇中で主人公が全ての感情をセリフで言うんだ。野暮ったいなぁ。
監督は湯浅憲明。ガメラシリーズ制作中の一本だけど、この時代は早撮りだよなぁ。
しかしなんでモノクロなんだろ?すでにカラー時代だろうに。

あと、怪奇的なニュアンスを減らして、蛇娘も
なんか理屈付けもされてる。背中に鱗があるのも象皮症のような物とか。
で、醜い外観になり性格が歪んだとか、醜い心が見た目も醜くするとか言う。
この辺のニュアンス、微妙だなぁ。
それこそ今の時代だと、アタマノオカシイうるさ型にクレーム入れられちゃうよ。
「外見に欠点を持つ者は性格も悪いのかゴルァ?」言われちゃうじゃん。

やはり時代が違ったとしか言えないな。いろんな意味で今じゃ作れないよ。
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