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真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章のIdeonのレビュー・感想・評価

3.5
 10人勝ち抜かねば死の宣告を受ける北斗と南斗の組手に挑んだ若き日のケンシロウ、10人目の相手は南斗の使い手のシュウ、敢えなく敗れ殺されるところだったが、ケンシロウの素質を見込んだシュウに助けられる。それから十数年、聖帝サウザーの暴虐に1人戦うシュウの元に、北斗神拳継承者となってケンシロウが帰ってきた。悪辣なサウザーにケンシロウの怒りの鉄拳が火を噴く…というお話。
 東宝がパチンコメーカーらと組んで、トムス・エンタテインメントに製作させた劇場版。キャラデザインを聖闘士星矢などを手がけた美形キャラの名手荒木伸吾が務め、作画は大幅にクオリティアップしている。ストーリーは原作でも山場の1つである聖帝サウザー編、東映製作のテレビアニメ版では6人の作画監督が回り番で製作していたので、実に残念な出来であったが、見事にリファインされている。テレビ版はキャラデザインをどちらかというと漫画的デザインが得意な芦田豊雄、チーフ作画監督をタツノコプロ出身のリアル志向の須田正己が務めているので、2人の個性が馴染んでおらず、他の作画監督は超高レベルの須田の仕事に追いつかず、キャラ変の連続であった。後付けのヒロインを素人の柴崎コウが演じ、よせばいいのにナレーションまでやっているのがやや耳障りだが、クライマックスの戦いが美麗に作り直されているだけでもやった甲斐はあったと言えるだろう。
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