BOB

カジノのBOBのレビュー・感想・評価

カジノ(1995年製作の映画)
4.2
マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画。

"When you love someone, you gotta trust them. There`s no other way. You gotta give them the key to everything that`s yours. Otherwise, what`s the point? "

スコセッシ監督×デ・ニーロ×ジョー・ペシの3作目。

用意周到なベガスのカジノオーナーが、"合法的な"ビジネスに邁進する傍ら、喧嘩上等なギャングの親友との関係、浪費癖のある美人妻との関係に悩まされる。前半は華やかなカジノが舞台となるが、後半はほとんどカジノが映らず、サム、ニッキー、ジンジャーによる夫婦喧嘩、痴話喧嘩、友情のもつれがひたすらに描かれる。

2度目の鑑賞にして、本作に対する印象が大きく変わった。初見時は『グッドフェローズ』に似たギャングの栄枯盛衰ドラマだと捉えていたが、今回の鑑賞では三角関係に揺れる男と女の恋愛ドラマがより濃く見えた。

サントラは愛に関する曲ばかり。サムとジンジャーの口論シーンで流れる"Glory of love"♪はとても皮肉だ。オープニングは愛に関する教訓じみたナレーションで始まり、エンドロールは過去に本気で愛した女性への熱いラブレターで終わる。

本作の一番の見所は、壮絶な夫婦喧嘩を繰り広げるデ・ニーロとシャロン・ストーンの演技合戦。理詰めでねちねち相手を追い詰める夫と、感情的になって怒りを爆発させる嫁。シャロン・ストーンの暴走運転っぷりは爽快感すらあった。

映画のスタイルは『グッドフェローズ』そっくり。結末を先出しするオープニングシークエンスで観客の心をがっつり掴み、見事に連動するナレーション&音楽&カメラワークで映画の世界にぐいぐい引き込んでいく。ボイスオーバー多用。大きく違う点は、1つの物語をサムとニッキーの2つの視点からナレーションしていること。

テクニカルな撮影。カジノ内の監視関係を巡っていくカメラワーク。視線の先を追って、カメラがパッパッパッと切り替わる。デ・ニーロがしゃがんで、詐欺師一行のトリックを見破るシーンも印象深い。

スコセッシ監督は自らこう言っている。−"There is no plots at all. It's three hours, no plot. So you know this going in. There's a lot of action, a lot of story, but no plot."−
どこか締まりが悪く、ダラけたような印象も受けたのだが、意図的に観客に解釈の余地を残しているということなのか。

コネ入社したコミッショナーの義弟が絶望的に役立たず。お喋りが盛大にドジる。まさかのショック死。『エレファントマン』が観たいとせがむ娘。ニッキーの用心棒フランキーは卑怯者。パパラッチのパパラッチ感。姿を見せないボスたちが一番の悪玉。影を用いた悪者演出。政治腐敗。

ニッキーが追手を巻くために6回車を乗り換えるシーンは笑った。リズミカルなカット割りが気持ち良い。頭を万力台に挟むシーンは目を背けたくなるほど痛い。

本作にかかった衣装代は、なんと総額100万ドルとのこと。デ・ニーロの衣装が70着、シャロン・ストーンは40着。

"There`s three ways to do things, the right way, the wrong way and the way that I do it. "

3(再)
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2020.4.19 記
94本目

3時間の長尺映画ということもあり少し敬遠していたが、やっと鑑賞。

マーティン・スコセッシ×ロバート・デニーロ作品。

1970〜1980年代にラスベガスを支配していたマフィアの世界で、カジノ支配人の成功と転落の人生が描かれている。金・酒・女・暴力何でもあり。

オープニングのストーリーテリングがスピーディーで爽快感があり、一気に物語に引き込まれた。その後もテンポ良く物語が進み、ダレることなく最後まで楽しめた。

ロバート・デニーロの演技は安定感抜群だが、それ以上にジョーペシとシャロン・ストーンの演技が素晴らしかった。シャロン・ストーンが叫び散らす場面が印象的。
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