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シド・アンド・ナンシーの元のネタバレレビュー・内容・結末

シド・アンド・ナンシー(1986年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

パンクロッカーとしての人生を演じきったシド・ヴィシャスとその恋人のナンシーの話。

ドラッグ漬けの荒んだ生活でどこまでも堕ちていく二人の破滅的な愛があまりにも痛々しい。
ゲイリーオールドマンが想像していたより全然シド本人に見えて、というかもう本人なのではレベルでびっくりした。my wayのところとかもう動きが本当にシド。すごい。めちゃくちゃ引き込まれた。だからこそ映画が終わったときの喪失感が半端なかった 。
シドに殺される直前のナンシーはドラッグのせいでボロボロだったけど、ラストで白いドレスに身を包んで綺麗な、出会った頃のナンシーと再開するという抽象的な終わり方も良かったです。荒廃した町並みは死後の世界なのかな。それとも死の間際に幻覚を見てるのかな。シドは最期の瞬間に何を想っていたのだろう

「まともになりたいんだ」とナンシーに向かって声を荒らげるシドの姿も苦しいし、もしナンシーと出会わなかったらどうなっていたのかなぁとか考えてしまったりしてこの感情をどうしたら良いのかわからず一人でアァ~……ってなってます。観賞後のテンションでmy way聴くと歌詞が刺さりまくってしんどい。"俺はやりたいようにやって来ただけだ"

作中では描かれていませんが、本人のポケットから見つかった遺書にもあるように、「一緒に死のう」というナンシーとの約束を果たすつもりで大量の薬物を摂取して亡くなったという話は有名なので以前から知っていたけれど改めて映像として観て理解すると本当にしんどい。私にはナンシーの魅力も薬漬けの生活の中にあったであろう幸せもわからずじまいだったけど二人にしかわからない愛があって、それは決して一方通行なものではなく、本当に愛し合っていたんだなあと。

この作品ではシドがナンシーを殺したことになっていますが実際はナンシーを殺したのが誰なのか、謎が多くてはっきりしていないそうです。
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