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ファニーとアレクサンデルのpのレビュー・感想・評価

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)
4.6
この作品はベルイマンの作品の中でもストーリーがしっかりしていて、5時間あるにも関わらず、集中して最後まで見ることができた。ベルイマンの自伝的作品であり、主人公のアレクサンデルはベルイマン自身である。この物語はエクダール家のクリスマスパーティーから始まり、その一族をめぐる2年間の物語である。豪華絢爛な北欧のクリスマスパーティー、赤が印象的な屋敷。幸せな家族。ところが、劇場主をしているアレクサンデルの父がハムレットの稽古中に亡くなるところから家族は崩壊していく。父はその後亡霊となりその様子を見守るのである。アレクサンデルにだけその父の亡霊が見える。家族が崩壊し、多難を経て、またもう一度家族が集まる。破壊と再生。死と生。明るい屋敷と暗い主教館。アレクサンデルが感じる大人に対する感情。イスマエルという謎の人物。
ベルイマンの映画の魅力である人間の感情を細かく描き出す撮り方がこの作品でも行われていて、人々のドス黒い感情や憎しみや、悲しみや、言葉で表すのは難しい気持ちが映画の中に溢れている。またそれを記号化したような様々な小物や空間、演出がちりばめられていて、大変大変見応えのある作品です。

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