メモ魔

ユージュアル・サスペクツのメモ魔のレビュー・感想・評価

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
3.8
この映画、絶対2回見た方がいい。
1回目は予習くらいに考えて見るのが良い。
衝撃のラストを知った状態で見るヴァーバルの事情聴取は圧巻。
どこまで見えてるんだこの男、、、

---------------ネタバレ注意---------------

結論から言うとヴァーバルの妄想が警官クラインの頭の中で展開されていく話。
事件に関する情報が何も無い状態で供述者の情報を鵜呑みにするのは本当に危険だと思った。
供述者の言葉がそのまま事実になるんだから。

さてヴァーバルが頭良すぎると思った点は何点かあるが例えばこのシーンか。
[ヴァーバルが尋問部屋に入りたがらない]
なるほど最初は尋問部屋に入らない理由なんて全然気にならなかったけど今にして思うと
[相手に嘘を刷り込むための前情報]
これを警官の部屋から目で盗み巧みに話すことを既に画策してたわけか、、、なんという頭の柔軟さ、、、

次にすごっと思ったのはこのシーンか。
[カイザー・ソゼの名前が警官からヴァーバルに伝えられたシーン]
ここまで自分のストーリーを展開し警官クラインを騙してきたヴァーバル。ここで新事実[黒幕はカイザー・ソゼ]という情報が急に入ってきた。ここでヴァーバルは思ったわけだな。
[知らん奴の名前が滑り込んできた。まずいな。クラインの口調からしてかなり位の高い奴みたいだ。そいつを黒幕に仕立て上げるか。]
それでこのセリフだ。カイザー・ソゼの名前を聞いた瞬間
[クソっ‼︎]
め、、名演技すぎる、、、ってか頭の回転早すぎるだろ、、、
カイザー・ソゼの名前が警察側にバレてしまった、、、みたいな演技をする事で一気にクラインは[カイザー・ソゼ]が黒幕だと頭に刷り込まれた訳だ、、。
もうこの時点で勝負アリだったな。

さてこの映画から学べることはこれだな。
トリックの本質とは[事実と妄想をいかに乖離させるか]
この映画はこの事実と妄想の乖離を[相手が知るはずのない情報が相手から出る。つまりそれは現実に起こったことだ]と錯覚させた訳だ。
警官の思い込みをうまく利用した話だった。

総評
サスペンス映画は序盤の種まきが退屈になってしまうことが多い。個人的にサスペンスの中でトップクラスに好きな[祈りの幕が下りる時]でさえ序盤は長く感じる。加えて登場人物の名前を頭に入れるのも苦労する。一回で理解しようとするなら、新しい名前が出てくるたびに動画を一旦止めてその名前と顔と特徴をメモしてからじゃないと後で誰が誰だか分からなくなる。
[そうか、、真犯人は〜だったんだ‼︎]
なるほどなるほど、、、っで〜って誰ー‼︎
となりかねないのだ。

しかし‼︎

サスペンスの良いところは2周目からだ。全て事の顛末を知った上で、罪を犯した犯人がどういった感情でこの演技をしているのか、、、それを見るのが堪らなく面白い。
この映画は、そのサスペンス共通の面白さを最大限に活かした作品だった。まさに2周目からが本番の映画だ。

1周目は3.7点
2周目は4点
総合して3.8点といったところ。
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