中

砂の器の中のレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
3.0
旅好きおじさんのロードムービーの方が好みやったかも。
慌しい世の中にも肩肘張らへんほんのりとした余裕があった。列車に乗りながらやることが新聞とか週刊誌読んだり俳句書くことやもんな。携帯電話の影響は大き過ぎるわ。
今西の仕事に熱はありつつ出張を楽しんでる感じとか、手柄をあげて笑いながら焼き鳥頬張ってるところめっちゃよかった。

和賀が三木を殺す動機がボカされてるところは不誠実に感じた。観客に委ね過ぎじゃないかな?
三木があまりに強引でついカッとなって〜とか、実は三木が模範的な人間ではなくて過去に〜とか、いろいろ考えられるけど釈然とせえへんな。
一方で、和賀が父に会いたくないのは分かる気がする。父と会うことで昔の無力な自分に戻りたくないとか、現実に会ってしまうと音楽の中で会える父とは違って失望するかもしれへんとかなんとか。

ハンセン病の差別と偏見を描いてる作品やったのね。
知らない世界やった。
中