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砂の器のxxxのレビュー・感想・評価

砂の器(1974年製作の映画)
4.0
殺人事件を題材にしたサスペンスでありながら、その本質は親子の愛情を描いたヒューマンドラマだった。
143分の中で、90分くらいは事件の捜査が丁寧に描かれ、そして残りの約50分で解決へとつながる捜査会議と犯人の回想が描かれている。
この50分間、日本の美しい四季を放浪し続ける2人の親子の姿と「宿命」の演奏が本当に素晴らしい演出だった。
ほとんど言葉のない回想シーンにも関わらず、昭和初期の日本の排他的で閉鎖的な雰囲気がとても感じられて、そんな中で激しい差別を受けながらもお互いを守りながら放浪を続ける親子をみるととても痛々しくて悲しくなる。
2人の別れのシーンや、それからおそらく30年以上経った後に、息子の写真をみて父が嗚咽を漏らすシーンは親子の愛情が感じられて本当に切ない。

ハンセン病についてはある程度は知っていたが、当時の背景や放浪がどういうことを意味するかなど知っていると一層受け入れられたかもしれないなと思った。
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