砂の器
とある殺人事件から始まるストーリー。
徐々に見えてくる、被害者の人間性。どうやら恨まれるような人間ではない。何故殺されたのか…誰に殺されたのか。
それが明らかになり、その犯人の過去を知った時、胸が痛くなる。
コンサートシーン、回想シーン、警察側の報告という三つを交叉させていく後半の構成は見事だった。
セリフがなくても、彼ら親子の悲哀が上手く描写されている。
ハンセン病という存在を今まで知らずに生きてきた自分は新たな知識を得た。
人間社会の差別は未だに終わりを迎えない。少しでも、様々な偏見に悩まされている人達に救いがあればと改めて感じた。