某サイトで「邦画ベスト」に推す声が多かったので鑑賞。
当時なりの総力を結集した感はさすが。前半のとても地道な捜査から浮かび上がった人物の「一つの嘘」には誰しも心揺さぶられるはず。
人々の話し方、足を使った捜査、鉄道、タバコ、瓶ビール、エアコン無しの暑さ、昭和の銀座クラブ。自分からするとどれも新鮮で現代とは距離感の出てしまった1970年代当時の生活風景の資料的な見方としてもおもしろい。
ただ名作なのはわかるけど道義的に許せないことがあって壮大なクライマックスにノれず…。事情はわかるけど、それはやっちゃダメでしょうみたいな。
それでも派手さも華やかさもない、かくも骨太な作品を映像化した当時の心意気はすばらしい。それでもどこかエンタメ、この濃さは必見。