cota

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのcotaのレビュー・感想・評価

3.7
少年が死を受け入れるまでの物語。
何かにすがって、父の存在を感じていたい、そうもがき苦しむ心の葛藤が痛いほど伝わる映画だった。母の愛にグッときた。
9.11を題材にミステリー要素をはらんだヒューマンドラマだったけど、オチは期待を裏切る肩透かしのようなもので空虚さがあった。その空虚さがあるからこその少年の気持ちが浮き彫りにされた感がある。
うーん。エンタメで言えばもっと各登場人物の背景を語って欲しかった。ブラックの1人1人に会うのも相手の状況とかあまり語られず、でもラストでは皆何かを失って受け入れていたとしているから、感想でしかないような印象。父と関係する人物をもっと出して良かったし、父の姿を息子視点だけで語らず他目線でも描いてあればラストはもっとグッときた気はする。
まあ、あくまでエンタメとしてはって話で、この作品は観客へ感動を押し売るのではなく、少年の心の動きなんだってところなんだろうなと。
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