ダオ

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのダオのレビュー・感想・評価

3.8
2011年にアメリカでつくられたスティーブン・ダルドリー監督作品。9・11テロで最愛の父を亡くした少年が1本の鍵を見つけ父の残したメッセージを探すべくニューヨークの街へ飛び出していくのだが……。

公開当時に見た時はアスペルガーって言葉に反応できたかなぁ? しかし今これを見るともうそちこちにそういう子がいて逆に「普通ってなんだっけ?」って感じ。このファッキン生きにくい世の中に対処すべく子供たち(大人たちですら)は脳味噌の配線を切り替えて選択した道なんじゃないかな?

この映画は感じすぎる少年がニューヨーク中のブラックさん(9・11で病んでしまったすべての人ってことかな?)を訪ね歩き大いなる絆を結ぶということなんでしょうけれど、しかし『プレミアムシネマ』さんが今それだけでこれを放送するわけがない。

もしかしたらこの映画でも重要視していたのかもしれないけれど、父親が留守電に残した「動かずに消防士を待っている。指示を待っている」ってところが重い。これ自分の命がかかっているから。まず「逃げなきゃ」だから。「指示を疑わなきゃ」だから。行列に並んでる場合じゃないのよ。そっからはみ出して逆を向いて走らなきゃ! 今そういう局面だから。マジで。
ダオ

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