トムハンクスの演じる役は、どれも本当に愛おしい。
色んな人との出会いがあるけれども、結局この物語は、息子の成長、そして同時に母の成長、がテーマなんだろうなと思う。
余りにも強い父と息子の絆が物語の冒頭からすでに示唆されている分、父が家族を繋ぐ「中心」だったことがわかる。そんな「中心」を失った家族。息子との向き合い方が分からずにいる母と、父程に自分を理しているはずなんかないと思う息子。
募る息子の苛立ちに反して母の描写がほとんどないのを途中不思議に思っていたけど、その「母の不在」があったからこそ際立つベッドでの二人の会話だったのだと思う。
鍵が繋いだ、息子と母の絆。
良かった。
留守電の下りは、自分の身に置き換えただけで涙が溢れた。
おそらく自分も、「結果が分かっている電話」を、取ることは出来ないんだろうな。