いろどり

この空の花 長岡花火物語のいろどりのレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
3.8
ひとり大林宣彦監督映画祭。
長岡の花火大会は商業イベントではなく長岡空襲で亡くなった人の鎮魂のために行われる。
これに感動した監督がメガホンを撮った一作。

生と死の輪廻転生、子へと引き継がれる歴史と運命。大林監督からはアンゲロプロス監督の世界観と通ずるものを感じる。その表現方法はまったく異なるけど、争いの愚かさを訴える強い強い意志が根底にある。

天災、人災といくつもの苦難を乗り越えてきた長岡の人たちと日本の近代史を振り返るストーリーは今回も情報量が洪水のようで、すべてが頭に入ったとは言えない。でも「海辺の映画館-キネマの玉手箱」よりはしっとり進むため見やすかったと思う。

ときどきカメラ目線で台詞を言ったり、モデルとなった人が出てきたり、ドキュメンタリーの要素もある構成が独特で、相変わらず変な映画ではある。けれど心に染み入る場面、学びの要素も多く、
間違ったことも含めて戦争の愚かさを学び後世に伝えていこう、というメッセージを受け止めたいと思わせられる。
力強さのある作品だった。
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