コーヒーマメ

この空の花 長岡花火物語のコーヒーマメのレビュー・感想・評価

この空の花 長岡花火物語(2012年製作の映画)
5.0
久しぶりの満点!!
こんな映画を観たことがない。
大林監督に言わせれば、映画経験が浅いだけだ、と叱られるけど、初めての衝撃を受けたのだからしょうがない。
「なんだこれは!!」っていう感覚は、映画を楽しむ一番の要素だ。

時代を超越した人々が画面に映り、時系列もごちゃ混ぜにしたこの映画は、ぶっとんでる。
だからこそ、こんなに心に残るのだと思う。
記録と記憶は違う。
文字に起こして記録するより、頭の中の記憶をそのまま映像にする。
そうすることで、戦争や震災という忘れてはいけない歴史を知り、考え、覚え、後世に伝えるのだろう。

序盤からテンポの良さが秀逸で、その情報量の多さに打ちのめされる。
知らないことのオンパレードだったため、何度も何度も観た。
模擬原子爆弾の存在、原爆が長崎に落とされた経緯、そして何よりも、戦争が起こり続ける理由。
全てが新鮮で、知った前と後とでは、自分がどこか変わった気になった。

多くの民間の方々の協力から生まれた作品だということも、頭に入れて観てほしい。
ふるさと映画に溢れる温かさを感じることができる。
祈りと願いの花火や、時には人間を飲み込んでしまう大自然さえもが煌めいて見えてくる。

大きな衝撃と知識と感動を受けたぶっとんだ傑作かつ問題作。
最後に、作中の名(迷)言たちを書かせてほしい。笑
「俺たちの雑学にも筋道が必要だな」
「この雨、痛いなっ!!!!!」