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ファニー・レディのみおこしのレビュー・感想・評価

ファニー・レディ(1975年製作の映画)
3.7
バーブラ・ストライサンドが伝説の女優ファニー・ブライスを熱演し、オスカーを獲得した大ヒット・ミュージカル『ファニー・ガール』の続編。主演はバーブラが続投、監督はウィリアム・ワイラーからハーバート・ロスに交代。

1930年代、大不況にあえぐアメリカ。ファニーはニック・アーンスティンとの大恋愛、そして離婚を経てもなお、彼のことが忘れられなかった。女優としての活動を続ける最中、ビリー・ローズというエンタテインメント業界でプロデューサーとしての成功を夢見る青年と出会う。対照的な性格ながらも、ショーに対する志を共にするビリーとファニーは、次第に惹かれ合うようになるのだが…。

とても波乱に満ちたファニー・ブライスの生涯。現代に生きる私たちからしても、そのエネルギーと好奇心に満ちた生き方には鼓舞されるし、どんな選択をしてもそれは間違いではなくて運命なんだなと教えてもらえます。プライベートも全力、ひとりのショーマンとしても全力!前作でも本作でも彼女にはただただ感情移入するばかり。
そんなパワフルな彼女の前に現れた新たな男性、ビリー・ローズ。ニックとの恋があまりに運命的過ぎたから、果たしてビリーがそこに取って代われるのか不安しかなかったけれど、紳士的なニックとは対照的なハングリー精神に溢れるビリーもまたすごく魅力的。演じるジェームズ・カーンと言えば、『ゴッドファーザー』シリーズでおなじみの強面俳優さんですが(笑)本作では歌まで披露してくれてびっくりでした。
ただ、この状況に対してニックも黙っているわけがなく、まさかの再登場!オマー・シャリフがあの端正なスーツ姿で現れた瞬間、ニックファンとしては思わず声が出ました(笑)。
そんな2人の男性との間で揺れながら、ファニーの心境にも変化が…。舞台で見せる明るい姿とは異なり、実はいつも心の支えを探していた彼女。でも紆余曲折を経て、彼女自身すごく成長していて、芯が強くなっていたんですね。自分の軸を大事に、”ブレない”選択をした彼女の姿にまた胸打たれました。

気になるサウンドトラックは今回も素晴らしいのですが、やはり前作が偉大過ぎるというのは否めず…!それでも、ファニーが巨大な女性の絵をバックに歌う"I Found a Million Dollar Baby (in a Five and Ten Cent Store)"はインパクト大の名シーンだし、ジェームズ・カーンも参加する"It's Only a Paper Moon"/"I Like Him"も良きでした!!
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