初堀禎一。
スゲエなんだこれ。
無軌道な台詞の積み重ね。どの人物も次に何を言うか油断できない緊張感がある。このどうしようもないアンバランスさは常に"青春"に陰を落とす。
粘り強い長回しからも次の瞬間何が起こるか分からない不穏さが纏わり付いている。その凄みが極致に達した焚き火のクライマックスはその煙の行方と共に奇跡的瞬間を捉えている。
バスケ、自転車といった運動の反復も非常に豊かな時間を生んでいる。そしてやっぱりそのどれもが乾いていて張り詰めている。
ぶら下がるアレを見つけた時の切り返しもヤバイが個人的にはラストの下駄箱での切り返しからの視線の交差を推す。あの疲れた感じ。諦め。居心地の悪さ。本当に何だこれはと放心。