ルネ

冬の小鳥のルネのレビュー・感想・評価

冬の小鳥(2009年製作の映画)
4.0
2010年10月9日公開。監督はウニー・ルコント。

父親に孤児院に捨てられた9歳の少女の物語。

少女を演じるキム・セロンは、名作『アジョシ』に出演していた女の子です。演技がすごい上手くて、観てて切なさが爆発しました。 

少女の絶望感がひしひしと伝わってくるのも、胸に刺さります。ごくまれに見せる笑顔がすごく可愛らしくて、人間って誰かの笑顔が見たくて、愛したりがんばったりするんだろうなって思いました。

孤児院で出会う友達との交流や、寮母さんのベタに優しいわけじゃないんだけど愛情が伝わってくる行動に泣きました。

イ・チャンドン監督(『ペパーミント・キャンディ』 『オアシス』 『シークレット・サンシャイン』)がプロデュースをしているので、絶望的な空気感が似てます。

少女のお父さんの顔がなかなか映らないのですが、やっと写ったら『ペーパーミント・キャンディ』で絶望してた主人公(ソル・ギョング)だったのが嬉しかったです。

この作品は監督の実体験を描いているらしくて、監督も韓国からフランスの里親に引き取られたそうです。

韓国は世界中に子供を里子に出していて、スウェーデンでは韓国からの里子の自殺率が高いらしい。アイデンティティに苦しむんでしょうか。

監督が感じていたであろう絶望感を体験して、いたたまれない気持ちでいっぱいになりました。
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