冬の小鳥の作品情報・感想・評価

「冬の小鳥」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

幼い女の子、ジニが大好きな父(ちょっとしか映らないが「ペパーミント・キャンディー」や「オアシス」のソル・ギョング)に、旅行に行くと嘘をつかれた形でカトリックの孤児院に捨てられる。
聡明で情に厚いジニだが、父が迎えにくる、自分はここにいるような子じゃないとばかり、食事に手もつけず、しまいには床にぶちまける。しゃべろうともしない。当然、院の中でまわりの子どもたちと馴染めない…。
それでも中にはやさしい人がいて、イェシンというのが、そんな彼女のことを家族と言ってくれる。それを聞いて涙を流すジニ。とにかくジニを演じるキム・セロンの演技がうますぎて舌を巻く。
イェシンは足が悪いのだが、家政婦としてもらわれることになるのが嫌で、おまけに恋も実らず自殺未遂騒ぎを起こしてしまう。
ジニの友だちになってくれた年上のスッキはしっかり者で、アメリカ人の里親に英語を学ぶ姿勢や前向きさをアピールし院を出ることになる。
いっしょに行こうとジニはスッキに誘われ喜んで約束するが、現実はそう甘くなくスッキだけが優しそうなアメリカ人夫婦にもらわれていく。切ない…。
落ち込むジニは、スッキと二人で救おうとしたがかなわず死んだ小鳥を埋めた場所に自分自身み埋める。この行為で父への愛を希求するジニを殺し、ゼロから立ち直る、「復活」したということなんだろう。
監督は9歳の時に韓国から養子としてフランスに渡ったというウニー・ルコント(女性)。実体験からできた映画だが、イ・チャンドンがプロデュースを買って出たそうだ。さすがのイ・チャンドン!
イ・チャンドン的なキリスト教批判&救い、感情の揺さぶり、カメラアングルなども垣間見えますが、ウニー・ルコント監督とキム・セロン…あっぱれ!
傑作です😭
toko

tokoの感想・評価

-
びっくりするくらいすばらしい映画で、画面の前から動けなくなった。
音楽に頼らず、淡々と描写していくから、音が研ぎ澄まされる。言葉に頼らず、説明的なセリフを廃し、演技で魅せる。
とにかくジニ役の少女の演技が、とてつもなくすばらしかった。
布団を叩く表情、静かに涙を流す表情。
自分で掘った穴に横たわり、自分で顔まで土をかける描写は、「父を待つ自分」の葬儀だったのだろうか。
泣き叫ぶより、悲痛なセリフを述べるよりずっと、悲しみを表していると感じた。
最後、養父母と対面するときの彼女は、どんな表情をするのだろうか?と引き付けてそこで終わる。しびれました。
TJ

TJの感想・評価

3.8
イチャンドン制作の感動韓国映画
アジョシでも素晴らしかったイセロンの目の演技がみもの
宗教的なテーマもイチャンドンっぽさがあった
あんまり出くわした事ない作風。

主人公の感情表現やストーリーに起伏は少ないんだけどのっぺりとは違う。

春の木漏れ日の中でハンモックにゆっくり揺られてる感じというか、なんとも心地良い。

それと「オアシス」のイ・チャンドンがプロデュースで絡んでるだけあって構図が綺麗。

ラストシーン1個手前のシーンが如実で、構図の綺麗さで思い出を何倍も美しい物に魅せる事が出来るの法則のお手本。

そして演技演技してないのになんでこんなに魅力的なんだっていう主人公のキム・セロン。

これは名作と呼んでも良いのではないでしょうか?

あたいビスコじゃもう喜ばないよ。
r

rの感想・評価

3.7
この年齢で諦めるとか受け入れるとか考えないといけないのは酷だし切ない
miwka

miwkaの感想・評価

3.7
ソルギョングって、色んなお父さん役で出てくる…
今回は悪父。情けなくて酷い。
幼い少女が厳しい現実を受け入れて、自ら立ち上がる迄の話。辛い。

今月28本目
今年28本目
韓国で生まれ、養女としてフランスへ渡ったウニー・ルコント監督が、自らの少女時代を映画化した自伝的デビュー作。

1975年のソウル。父親に捨てられカトリックの児童養護施設に入れられてしまった9歳の少女ジニ。本作が映画初出演となるキム・セロンが、ジニの絶望と孤独、そしてそれを乗り越えるまでの心の軌跡を見事に演じていて胸を打たれる。

フランスの空港ロビーで待つ養父母を視界に入れた時のジニの表情が忘れられない。その瞳は、少女の再出発を賭けた静かな決意に溢れていた。
ルネ

ルネの感想・評価

4.0
2010年10月9日公開。監督はウニー・ルコント。

父親に孤児院に捨てられた9歳の少女の物語。

少女を演じるキム・セロンは、名作『アジョシ』に出演していた女の子です。演技がすごい上手くて、観てて切なさが爆発しました。 

少女の絶望感がひしひしと伝わってくるのも、胸に刺さります。ごくまれに見せる笑顔がすごく可愛らしくて、人間って誰かの笑顔が見たくて、愛したりがんばったりするんだろうなって思いました。

孤児院で出会う友達との交流や、寮母さんのベタに優しいわけじゃないんだけど愛情が伝わってくる行動に泣きました。

イ・チャンドン監督(『ペパーミント・キャンディ』 『オアシス』 『シークレット・サンシャイン』)がプロデュースをしているので、絶望的な空気感が似てます。

少女のお父さんの顔がなかなか映らないのですが、やっと写ったら『ペーパーミント・キャンディ』で絶望してた主人公(ソル・ギョング)だったのが嬉しかったです。

この作品は監督の実体験を描いているらしくて、監督も韓国からフランスの里親に引き取られたそうです。

韓国は世界中に子供を里子に出していて、スウェーデンでは韓国からの里子の自殺率が高いらしい。アイデンティティに苦しむんでしょうか。

監督が感じていたであろう絶望感を体験して、いたたまれない気持ちでいっぱいになりました。
切なくて苦しいストーリー

父が迎えにきてくれる事を信じ
孤児院で待ち続ける小さな少女
さすが韓国作品
演技とは言え小さな少女には
トラウマになってしまうのではないかと
心配になってしまうシーンもあったけれど
キム.セロンちゃんは今も現役で
活躍しているのでひと安心😅

まだ幼い彼女が孤児院で学んだ事
それはどうにもならない現実を受け入れ
寂しくてやりきれない想いを抑えながら
無理して笑うこと
彼女が心から笑顔になれる日が
来る事を願わずにはいられない

監督の実体験がベースになっている
作品という事を後から知った
なぜフランス語が冒頭に出てきて
制作国にもフランスが入っているのか
不思議でしたが最後はなるほどと納得
DVD📀所有、再鑑賞。ウニー・ルコント監督作品。「アジョシ」のキム・セロンの初主演映画。

父親に置き去りにされた事実を受け入れられない少女の悲しくも切ない失意の日々と、そこからの再生のドラマを力強く描く。これが映画初出演となる彼女の存在感と情感あふれる演技が、観客の心をわしづかみにする。

1975年、よそ行きの格好をした9歳のジニ(キム・セロン)は、父(ソル・ギョング)と一緒にソウル郊外にあるカトリックの児童養護施設の門をくぐる。彼女がシスターに施設の案内をしてもらっているうちに、父親は黙って去って行ってしまう。そのことにショックを受けたジニは食事にも手をつけず、周囲に溶け込むことも頑として拒んでいた。
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