HK33

ショーシャンクの空にのHK33のレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
3.8
久々に見返したが個人的にはgreat movieではなくgood movieかなと。
●精密に設計された美しい構造の映画。伏線回収とどんでん返し、カタルシスの仕組みが鮮やかかつ随所に散りばめられている。Andyの脱獄計画がmeticulousだと言われていたがこの映画こそmeticulousだと思った
●歳や境遇が違くとも、共に長い時間を過ごした友人の存在とはかけがえのないものであり人生の宝物だと訴えかけるラストシーン
●また年老いて仮釈放されたBrooksとRedのコントラストもよい。Busy to live or busy to dieならbusy to liveだろ、というのは金言。刑務所の外では際限のない自由が広がっており、それに絶望する者もいれば、その可能性に喜びを感じる者もいる。実は我々も同じ自由を持っているはずであり、だとすれば私は喜びを感じて自由を楽しみたいと思った
●以上のような示唆はありながらも、個人的には設計・構造・カタルシスで魅せる映画という印象で、胸に深く刺さる生々しいメッセージみたいなものは感じなかった。多分これは伏線回収の設計を優先するために、Andyの心情風景が最後まであまり描かれないからだと思う
●本来は地味なスルメ系の映画だと思うのだが有名になりすぎたのと伏線回収とかの構造だけが注目されてしまいおかしなラベルを貼られていると思う
●あと字幕のみならずキャッチにまで使われてしまっているがVice President = 副頭取という邦訳は明確に誤り。実際は日本の銀行で言うところの調査役くらいじゃないだろうか
●モーガンフリーマンは出演するだけでその映画の価値を飛躍的に高める天才である
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