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ショーシャンクの空にのかのレビュー・感想・評価

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)
4.3
 ティムロビンス演じるアンディとモーガンフリーマン演じるレッドを主軸とした物語ではあるが、トミーやブルックといった、サブ役を演じた役者のお芝居も素晴らしく、グッとくるシーンがたくさんあった。特に、仮釈放された終身刑の人々が監獄の生活に戻りたいと願うさまには涙が出た。というのも、私は収監されている人は皆、刑務所の外に出ることを望んでいると思い込んでいたから。つくづく、更生や社会復帰システムの難しさ、ひいては生きていくことの難しさを感じた。また、努力して高卒資格を取得したトミーと、トミーに教育を施したアンディの描写。二人の苦労や努力が綿密に描かれていただけに、トミーの最期には憤りを覚えた。
 それから、聖書や神様の位置づけがどうしてもやはり日本人には分かりにくいというか。カフェ・ソサエティを観た時にも感じたが、欧米の宗教観について多少の素養があれば、洋画はより楽しめるのかもしれない。
 男色の人々や監察官による激しい暴力のシーンは観ていてとても辛く、目をつぶりたくなったが、アンディとレッドが次第に心を通わせていくさまや、心の豊かさを大切にすること、何かに打ち込むことの尊さ、希望を持ち続けることなど、随所に込められた様々なメッセージには胸打たれた。とても良い作品だった。
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