きくり

乱歩地獄のきくりのレビュー・感想・評価

乱歩地獄(2005年製作の映画)
3.0
良い映画を観た…。江戸川乱歩の作品をアレンジした短編集だった。「火星の運河」「鏡地獄」「芋虫」「蟲」の四つ。パッケージがポップなのであまり好みではないかと思ったけど、いい意味でパッケージ詐欺だった。ちゃんと江戸川乱歩の気持ち悪さと汚さと色気があった。原作と違う所もあるけど江戸川乱歩のじめっとした気持ち悪い世界に馴染んでたので違和感は無かった。

特に「芋虫」の改変が好きだった。戦争で手足を失って芋虫になったのではなく、戦争に行って欲しくない妻が夫の手足を切断して芋虫にした、というお話になっていた。原作にある戦争に対する訴えは減ってるけど、人間の恐ろしさが増強されていて、今の時代に刺さる改変だったと思う。

気持ち悪くて奇妙で汚くて醜くて綺麗で頭がおかしいなーって感じの映画なので、好きな人は好きな映画だと思う。