平和を祈るヒツジくん

はだしのゲンの平和を祈るヒツジくんのレビュー・感想・評価

はだしのゲン(1983年製作の映画)
4.7
子どもの頃に見ました・・・
もう衝撃の一言。原爆投下のシーンはあまりに惨い。人間が溶けるという非日常的な描写が恐ろしい。
アメリカの大多数の人間に見せてやりたい。未だに「原爆を落としたことは間違いじゃない」と言うのなら、原爆を落とされた被害者の怨嗟を聞いても同じことが言えるのだろうか?
インドやパキスタン、核を持っている国は数あるが、核を持つ人間全員にこのアニメーションを見せてやりたい。これが正義と言えようか?

中沢啓治先生は「核保有で平和が成り立っているこの世界は異常だ」と嘆いておられた。
いつかは核のない世界に・・・というのは綺麗ごとかもしれないが、原爆で亡くなられた方々を思うと胸が痛い。

同じく戦争を経験した手塚治虫御大のアニメーション会社が作ったことに大きな意味がありますね。
手塚先生は「生命の尊厳」をテーマに作品を描かれており、名作選集などに戦争を題材にしたマンガを載せてますが、当時を生きてきた人々の想いが作品として形に残っているのはなんと幸いなことか。ぜひとも後世へ繋ぎたい。そう思うばかりです。アーメン。