利根川

女優霊の利根川のレビュー・感想・評価

女優霊(1995年製作の映画)
4.0
女の人のあの表情、すごい不気味だなと。ピントを合わせず首を傾け、目と口だけの記号的な笑顔で何もせず後ろにいる。それだけで怖かったのに危害を加えてくるようになり、という不気味さと怖さをズイズイと感じる。監督が見たという映像や例の正体についてよくわからないまま終わった部分も不気味さを増長させている。
例の正体についてぼんやり考えたところ女優の演技が生み出した生き霊なのかなと。一応それで納得できなくはないが女優や社長、ラストを考えるとどこか釈然としない点も多く正解だとは思えない。
作中作がその作品の本質を表していることが多いためその点分析すれば明らかになるのかもしれないが、それをできるだけの能も気力もないためどなたか考察していただけないか。
最後の画鋲のシーン。
監督の家に行くとコルクボードに主演女優の写真があり、両目が画鋲でグザグサとやられている。それを本人に見せるわけにもいかないため、コルクボードから外すというシーンだがよくわからなかった。
目に画鋲を刺すという行為はよっぽどの憎悪や敵意がないとできない行為だと思うのだが作中そこまでの憎悪を募らせているものは見当たらない。となると霊の仕業と考えるのが妥当だがなぜなのかわからない。
主演女優と監督がお互い意識しあっていることや作中作がヒントになりそうな気もするが、、恋は盲目という言葉への皮肉、攻撃?かと直感的に思ったのだがこの言葉と作品の繋がりはあまりにも薄く展開にもつながらないことから納得できない。お手上げだ。
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