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青いパパイヤの香りのakqnyのレビュー・感想・評価

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)
3.7
ベトナムは第二次世界大戦とその後の資本主義陣営から描かれる映画でしか知らないから、ある意味で悲劇的で、ある意味で謎めいたオリエンタリズム的な憧れの地として記号化してしまっていたように思う。

それゆえに1951年という時代の裕福な家庭の暮らしぶりは想像に及ばない。予備知識無しで見る1951年のベトナム。しかもほとんど会話がなく、シチュエーションや登場人物の心情は音楽をたよりに想像する。
不協和音のような不気味さと青々しい植物の美しい映像が、記号化したイメージから現地の物語としてまた違ったベトナムを見せてくれた。


丁稚奉公のような仕組みは今では本当に少ないけれど、おしんがアジア圏で絶大な支持を得るのもわかるような、そんな映画。
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