SEIJISAN

コラテラルのSEIJISANのレビュー・感想・評価

コラテラル(2004年製作の映画)
3.5
僕の大好きな監督のマイケル・マン監督が僕の大好きな俳優のトム・クルーズを殺し屋役で出演させる作品で、舞台は監督のお膝元ロサンゼルス。どこをどう撮影したらキマるか知り尽くしている街。これらの材料で期待をせずに他に何を期待出来るのか?殺し屋の任務遂行の為に巻き添えを食ったタクシー運転手の奇妙で恐怖の一夜を描く。映像美は完璧。どのシーンも完璧。惚れ惚れする。因みに街にコヨーテが現れるシーンは撮影準備をしている時に偶然現れて、監督が「カメラを回せ!」とハプニングで撮れたシーンとの事。あまりにも作品にハマっている印象的なシーンなので運命的な名シーンとなった感じです。殺し屋とタクシー運転手との会話の中で、殺し屋の言う事に説得力があり、タクシー運転手の心に動揺が広がる会話の妙も良い出来です。ただ!「凄腕の殺し屋」となると僕の基準は大好きな作品「ジャッカルの日」のジャッカルになります。彼と比べると本作の殺し屋は少々隙があり過ぎるというか脇が甘いと言うか...。減点はそこのみですね。エンディングもマイケル・マン監督作品ではお馴染みの「映画は終わるけど、彼らの人生はまだまだ続くし問題も全て解決していない」という余韻をタップリ残すところで終わる。夜明けがこれから始まる彼らの人生にも興味が湧いてきます。。僕は本当にこの終わらせ方が好きでマイケル・マン監督作品の中では「ヒート」もそうですね。で、その影響をモロに受けたのがクリストファー・ノーラン監督。彼も同じエンディングの雰囲気で毎回映画は終わるけど、映画の中の世界はまだまだ続いていくと言う終わり方を毎回用意してますよね「男優を格好良く撮る監督」の異名持つ監督の面目躍如。良かったです。
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