大都会ロスの夜。バッハ、G線上のアリアのメロディに乗せて優雅に走るイエローキャブ。運転手を演じるのはジェイミー・フォックス。都会の夜を彩る洗練された時間… その都会的な雰囲気を打ち破る空から降ってくる破滅的な死体。この作品で演じるトム・クルーズは冷徹な凄腕の殺し屋。情に流されることなく淡々と仕事をこなす、今までのトム・クルーズにはなかった新たな面を魅せる。白熱したジャズ演奏が流れるクラブハウスでのジャズ談義。そしてマイルストーク。マイルスと共に演奏するミュージシャン達が緊張感を強いられたように、この殺し屋トム・クルーズの周りには死の緊張感が漂う。人とあまり関りを持たず仕事をこなしてきたトム・クルーズの誤算はタクシー運転手と関りを持ったことだろう。大都会の夜、流れるジャズ、そして殺し。クールでスタイリッシュな作品。トム・クルーズの映画の中でもかなり好きな作品。
