サド和尚

殺人魚フライングキラーのサド和尚のレビュー・感想・評価

殺人魚フライングキラー(1981年製作の映画)
3.0
今やまごうことなき世界的巨匠、ジェームズ・キャメロン監督のプロフェッショナルでの名状しがたい初監督作品。ロジャー・コーマン帝国臣民時代にヒイヒイ言いながら撮った代物です。
『ジョーズ』フォロワー映画というより鮫人気に乗っかって作られた迷作『ピラニア』の続編なのに、なんでこんな邦題になったのやら。まあそんな時代だったのでしょう。
何しろ続編要素といえば水中捕食時の効果音や、バックボーンぐらいにしか無いので問題ありません。
話の雰囲気はむしろ『バタリアン』っぽい感じがあります。陸軍国内でいろいろやらかし過ぎ問題。

後に、『エイリアン2』の名脇役、ビショップを演じるランス・ヘンリクセンさんは、この時は出演もしつつ殺人魚の制作のお手伝いまでなされていたそうです。
しかし、そこまでしていても圧倒的に画面上での数が足りていないフライングスローターフィッシュの味わい深さ。2体だか4体だかしか用意出来なかったがためにこんな事に。パタパタギミックなんぞ仕込むからだ。
初撃で的確に人間の首の頚動脈をカッ切りにくるかわいいやつです。

出来もいい方ではないので、キャメロン監督はもうあんまり語りたがらない作品かもしれませんが、スキューバーダイビングの細い部分まで割としっかり描く海中描写や、予算の都合によるだろうミニチュアワークなど、後々の監督作に繋がる部分も感じられん事もない作品です。
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