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ブレア・ウィッチ・プロジェクトのyossieのレビュー・感想・評価

3.3
実はこの作品を元としたゲーム実況を見るための予習としての鑑賞。

1996年に大学生3人がメリーランド州の魔女の伝説についてドキュメンタリー映画の撮影のために森へ入っていく。
そのうちに森の中で迷い、夜になるたびにテントの外の奇妙な物音や声に悩まされ、どんどん追い込まれていく。森を出ようにもいくら歩けど元の場所に戻される。そのうちメンバーの一人が朝忽然と姿を消す。

この作品は低予算で作られたのにも関わらず、その約4000倍もの興行収入を得た脅威的作品。
まるでホントに実際にあったことのように作られたかのようなPOV方式のモキュメンタリーで当時としては画期的な撮影手法だった事もあるだろう。

ホラーと言いながら、一見作品として全く怖さを感じない。
意見が分かれるのはそこだと思う。
恐怖の対象である魔女は一切姿を現さない。
撮影隊のヘザーは恐怖を感じながらも、二人の反対にあいながらも、ひたすらカメラを回し続ける。

真っ暗な夜の森の中でかすかにする物音や声、朝テントから出ると枝で作られた呪いの人形が設営したテントの周りに吊るしてあったりと、じわりじわりと身の回りに迫ってくる。

カメラに映る彼らのその姿はその身に迫りつつある恐怖にただただ慄いでいるのと、歩いても歩いても森を出れない苛立ちと空腹と疲れで仲違いする姿ばかりだ。
見ていてうーんと感じるけど、もし当事者だったら?
月の光も届かない真っ暗な中でライトのあかりのみ。時間をかけてじわりじわりと迫ってくる見えない何かに対して怯えずにはいられないと思う。

そういう本質を突いた作品なんだと思う。
そんなところを頭に入れて観た方が案外怖さが理解できるかもしれない。
また、カメラの画素の荒さが作品がいかにも自作的に感じられて良かった。
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