asperin

光のほうへのasperinのレビュー・感想・評価

光のほうへ(2010年製作の映画)
4.5
あらすじ
アルコール依存症の母を持つニックとその弟は子供ながら三男である赤ん坊の弟の世話をしていたが、誤って死なせてしまう。
時はたち二人は大人になるが、ニックはアルコール、弟は薬に依存していて、心の傷を癒せないままでいた。母親の死をきっかけに二人は再開し、シングルファーザーをしている弟をニックはたびたび気にかけていたが…。

映画の冒頭、光の中から赤ちゃんが笑い、それを可愛い少年たちが囲んでいる。わからないながら責任感と愛情を持ってお世話をしていた矢先の死。題名から依存症の回復の話かと思っていたら、原題の意味は「潜水艦」。海の中に沈むような感覚確かにしたわ…。
ゼミで依存症についてちょっと勉強していて、回復するにはたくさんの労力が必要だなと思っていたのだけれど、現実を突きつけられた気がした。
自分が嫌っていた母親のようにならないとどんなに思っていても、自分一人では埋められなくなってしまった心の傷は、兄弟でもっと上手く支え合えていたら解決していた?
福祉国家デンマークの底辺がこれであるならば、どうしようもなく救いがない気持ちになる。どこの国に住んでいようが、心の傷は一様であるのだと改めて感じる。
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