光のほうへの作品情報・感想・評価

「光のほうへ」に投稿された感想・評価

いつみ

いつみの感想・評価

4.5
切なくて悲しくて、、だけど美しい。

幼少期の酷い家庭環境と悲しい事件、彼らの中でのトラウマは本当に根深く心に棲みつき光に向かう事を邪魔し続ける。

不運で片付けるには重すぎる事柄ばかりが重なったけど、心根の優しく強い彼ならばきっと今度こそは大切なマーティンを守り抜けるはず。

今度こそ幸せを掴んで欲しいと願わずにはいられないです。
Kanako

Kanakoの感想・評価

4.0
もっと単純に光のほうへ行けたらいいのに子どもの頃から環境に裏切られていると、そううまくは行けないよね…
亘

亘の感想・評価

4.0
【なぜ彼らは光をつかめないのか】
ニックと彼の弟は親の愛情を受けずに育った。アルコール依存症の母に代わり幼い弟の面倒を見ていたが、弟は突然死。大人になっても2人はその過去を引きずりながら社会の下層から抜け出せずにいた。

邦題とは裏腹に全編通してなかなか光が見えない。少年時代・兄・弟・再会の4パートから光をつかめない兄弟の様子を描いた作品。兄は暴力事件を起こして服役し、出所したばかり。そして弟は1人息子マーティンを育てるシングルファザー。弟夫婦はそろって麻薬中毒者で妻は交通事故で亡くなった。弟は麻薬をやめたというが実際は薬物依存から抜け出せずにいるのだ。2人とも現状から抜け出したいはずなのに全然抜け出せない。かすかな光が見えたように感じても、ほんのかすかな遠くの光のよう。元凶は少年時代の環境なのだろうけど、なぜそんな過去をまだ引きずらなければならないのか。見ていてやるせない。

少年時代
兄ニックと弟は幼い弟をかわいがり母に代わり面倒を見ている。一方の母といえばアルコール依存症で子供に暴力をふるうし完全に育児放棄している。兄弟はそんな母のタバコや酒を隠れて飲んだりもしているが、ある日酒に酔って寝た間に弟がなくなってしまう。


ニックは暴力事件を起こしたことで服役し出所した。簡易宿泊施設に住むことになり、近くの部屋のソフィーと仲良くなる。一方で旧友イヴァンと会う。イヴァンもまた社会の下層で暮らしていてストーカー常習者。女性経験が少ないがために力ずくで女性を手に入れようとしている。ニックはイヴァンにソフィーを紹介するが、ニックのいない間にイヴァンはソフィーを殺害する。

ニックには恋人がいるわけでも子供がいるわけでもなく特に生きる目標がない。イヴァンと行動するけど、それも車の観察とか女性の観察とか生産性がなくて、このパートはずっと先が見えないし何がしたいのかはっきりしない。ただもやもやしたまま日々を過ごしている。ただそんな中でソフィーの死という大事件が起きてしまう。


弟は一人息子マーティンを1人で育てるシングルファザー。近所の人にも助けられてるし、ニックよりも光が見えているようにも見える。でも彼は麻薬を断てず生活保護を受けず貧しい生活を送っている。日々マーティン中心の生活を送りながらも麻薬を服用して日に数回意識を失う。ぎりぎりの生活を送っていた彼だが、母の葬儀で遺産30万クローナを手に入れることができたことで奮発してマーティンと豪華に楽しい時間を過ごす。ただ残り全額を麻薬購入に充て売人を始めたことで彼の運命はさらに変わっていく。稼ぎを手に入れることはできたが、逮捕されたのだ。

子供もいるし兄に比べれば生きる目標があるように思う。でも実際は麻薬服用を続けているせいでマーティンに満足に食べさせてあげられない。きっと兄はそんな弟とマーティンを見かねて母の遺産を譲ったのだろう。そのお金をマーティンのために使い、さらに稼ごうとする。彼はマーティンのことを愛しているのだ。ただ光が見えたかに思えて幻だったり見えなかったりした。

再会
兄はソフィー殺害、弟は麻薬販売の罪で逮捕され服役し2人は刑務所で再会する。距離と鉄格子を隔てた2人の再会と会話は見ていて悲しかった。これも2人の生い立ちが悪いのだろうか。兄は真犯人でないことがわかると釈放されかつての恋人に会ったりするが、一方で弟は自殺を図る。これは今作の中でも最も暗い場面かもしれない。ただその後の教会でのシーンは、ニックとマーティンの新たな一歩を映しているように思えた。

全編を通して思うのは、この兄弟は確かに社会の下層にいて前科者・犯罪者でもある。でも2人とも他社への愛情はある。2人とも弟の面倒をよく見ていた。そしてニックは友のことを思いソフィーを紹介し、弟のことを思い遺産を譲った。弟はマーティンを思い愛情を注ぐ。2人とも感受性はあると思うし光のほうへ進もうとしているように見えるしその点では悪人ではない。ただ社会の下層にいるのは生まれ育った環境とか弟の死がトラウマとして残っているからかもしれない。そうした暗さばかり見せられてきたからこそ、ラストシーンは光のほうへ進み始める彼らの再出発だと前向きにとらえたい。

印象に残ったシーン:少年時代に2人が弟の面倒を見るシーン。弟がマーティンをかわいがってるシーン。2人が刑務所で再会するシーン。ニックとマーティンが教会で並んで座るシーン。

余談
・原作はデンマーク人作家による同名小説です。
・原題"Submarino"は「潜水艦」という意味です。潜水艦がずっと水中にいて水上に上がらない様子を、兄弟がずっと社会の下層にいる様子に重ねているのだと思います。
アル中の母親の元、少年時代に辛い経験をした兄弟。成長した2人はやはりまともな大人にはなれなかった。トラウマと戦いながらも幸せを求め生きる2人の物語。
Bom

Bomの感想・評価

3.3
結構リアリティでエグいシーンありましたね。時系列系でその辺りもさらに面白くなってました。一人一人の詳細がはっきりしていてよかった。
幼少期のニック役の子うまかった。

2018年初観作品126本目
Yuki

Yukiの感想・評価

3.4
暗い世界を生き抜くためには、微かな光を拠り所にするしかなかったのだと思う。
例えそれが偽りの光だとしても。

社会の闇を風刺した作品。
良い映画でした。
Iri17

Iri17の感想・評価

4.4
弟が死んでしまったという少年時代の経験から、2人の兄弟は不幸の中に深く潜水したまま浮き上がる事ができない。光のほうへ彼らは向かうことはできない。
しかし、この映画はトマス・ヴィンターベアの暖かさ、ぼんやりとした明るさがある点が素晴らしい。
ラース・フォン・トリアーにはない、彼特有の暖かさに包まれた映画だ。

成長した兄弟の交流は少ないし、アクションはほとんどない。とことんリアルな映画だ。これは目を逸らしてはいけない現実なのだ。
彼らは暗く辛い場所で生きる。弟を救えなかった自分たちの罪を背負うためだ。だから2人共わざと辛い人生を歩み、他人の罪を自ら被る。

幸福度世界一の国の全く幸福ではない兄弟と汚れた部分を描いた傑作である。トリアーにはない、暖かさをヴィンターベアはラストに感じさせてくれる。自分たちのように溺れないように幼い甥っ子を兄は手を引いて生きていく。自分のように潜水したまま浮き上がれなくなる前に。失った手の代わりに得たものは幼き甥っ子を救う神の手だった。
hagy

hagyの感想・評価

3.5
彼らを殺したのは誰だったのでしょう
愛を与えなかった母でもない
周りにいた大人でもない
生まれた境遇や能力で判断する社会でもないでしょう

彼らを救えるものは何だったんでしょう
生き抜く居場所を与える職場?
命をかけてでも守りたいと思える存在?
騙したってたとえ裏切ったとしても見放さない無償の愛?

時にそれらは正しくもなるし、逆にそんな理由を探すことさえ無意味で阿呆らしいと思える時もあるでしょう

映画の多くは実話じゃありません
しかし映画を作ったのは紛れもなく人間の心であって、この映画だってそう
この『光の方へ』はひたすらに悲しみに満ちていて、この映画作ったって、誰かが観たって、何も変わらない

悲しみに酔いたくなんてない
同情なんてしたくない
希望なんて見出さない

でも、たとえそれがどんなに惨めで誰かに厨二だって思われたって、私はその心に寄り添っていたいと思う
救えないとわかってたとしても

この世の喜びも悲しみも怒りも同様に美しいと信じてるし、言ってることが矛盾して論破できちゃうことなんて百も承知だけど、それでも環境とかもろもろの影響で失われていく感情がある人生の中で、これは生きてるうちに失いたくないものの一つであることは確かで、そうした気持ちを大切にしたい、そう思う気持ちはせめて許してほしいよ
兄と弟

どちらかというと
兄のニックに感情移入しながら観ました

自分のいるところには
不幸がつきまわる…
オレは死神なのか…
そんなことを感じてしまった

でもラストカットで光を感じた✨

重かった
けれど良かった👌


パパの書いたZが
ニックのNでもあって
光を感じた✨


エンドロールミュージックでまた
光を感じた✨

p.s.
お兄ちゃんの俳優さん
ベンアフをマイルドにしたような
顔とヒゲだった🧔🏻✨
羊男

羊男の感想・評価

3.3
悲劇。人が変わるというのは難しいからこそ環境を整えることが大切。
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