とんき

連合艦隊のとんきのレビュー・感想・評価

連合艦隊(1981年製作の映画)
5.0
10回は優に鑑賞している。

日本軍・一般人含めて、あくまで日本国民目線で展開される脚本が素晴らしい。
当初は「我、奇襲に成功せり。テヘ」とか「ミーッドウェー、ミーッドウェー🎵」なんて浮かれている。鬼畜米英なんて言ってるけど、正直相手なんて知らないし実感もない。
ところが、いつの間にか金属類回収令、配給制、欲しがりません勝つまでは、月月火水木金金、贅沢は敵だ、臨時徴兵、学徒出陣など、「あれ?」と思えるおかしな世の中になっていく。
戦況と生活はどんどん厳しくなり、気付けば敵機の空襲に怯える毎日。軍隊は暴走し、国家存続を盾にして突撃や自決、無謀作戦を強要する。

この戦争の大義名分はなんだったのか、何故こんな事を始めてしまったのか。当時の人の気持ちになると感情を揺さぶられずにはいられない。
そして、戦艦大和。航空機時代の幕開けに登場し、大和ホテルなんて揶揄され、戦争中全く活躍せず沈んだ悲しき遺物。日本人が大和を好きなのは、造形美もさる事ながら、当時の無念の日本の縮図・象徴だからかもしれない。
とんき

とんき