とんき

ゼロ・ダーク・サーティのとんきのレビュー・感想・評価

ゼロ・ダーク・サーティ(2012年製作の映画)
4.1
復讐鬼と化したCIA職員が、オサマ・ビン・ラディンを追い詰める執念の物語。
悪を華麗にやっつけるヒーローエンタメも良いけど、私はリアルドキュメンタリーの方がやはり好み。採点が高くなってしまう。

嘘情報で罠にかけたり、CIAとアルカイダのモグラの間で壮絶な情報戦があったのは知らなかった。CIAも文字通り命懸けの捜査。ミッションコンプリートした時、CIA職員は果たして何を思ったのか。

ビン・ラディン家の財産を食い潰す唯の放蕩息子だったオサマが、アフガニスタン紛争で後にアラーの生まれ変わりと称される程のイスラム過激派の英雄になるのだから、人生は分からない。
結局ビン・ラディンをイスラム過激派にしてしまったのはアメリカというのが、何とも皮肉めいている。
また、「戦争しない」を公約に大統領となったルーズベルトが、実は日本と一番戦争したがっており真珠湾攻撃を利用したのではないかと言われているように、9.11も対テロ戦争の大義名分に利用されたのでは?との陰謀論も根強く、もしかすると真実は私達が想像するよりも遥かに残酷なのかもしれない。

youtubeで沢山あるまとめ動画を観てから鑑賞すると、何で?と思えるパキスタン、アフガニスタン、ビン・ラディン、アメリカの複雑な関係性が紐解け、作品が更に楽しめるのでお勧め。
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