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祇園囃子のあのレビュー・感想・評価

祇園囃子(1953年製作の映画)
4.2
セクハラ・パワハラなんでもござれ、けったいな世界どすなぁ...

伝統芸能とは言いつつも、誰も踊りを観に来ないというのがリアルでした。何が「舞妓」だよという話です。そういう汚い所は目を瞑りつつ取り敢えずの体裁だけは繕っておく、これこそがジャパンの伝統芸能でありますな。その仕事を背負った若い女たちの後ろ姿のラストは力強かったです。昔の映画は終わり方が潔いですね。

あとやっぱりお座敷の撮り方がよかったです。大河ドラマみたいに人の顔とか床とか壁ばっかり映されてもつまらないですからね。なんといっても庭を綺麗に映すから、ずっと華やかでしたし、その華やかさの中に汚くて狭い世界が閉じ込められている皮肉が面白かったです。
あ