人間

暗黒街の顔役の人間のレビュー・感想・評価

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)
5.0
「ギャング映画の金字塔」「ハワード・ホークス監督」と聞いてずっと観たかった。『ゴッドファーザー』も凄い好きだからとても楽しめた。

初っ端からの長回し、その中での銃撃がかっこよすぎた。冒頭での銃撃では撃つ側の人(トニー)が、そして聖バレンタインデーの虐殺のシーンでは撃たれる7人の影が映されるのがとても印象的だった。たしかヘイズコードをくぐり抜けるためなんだっけ…?
トニーが妹チェスカを執拗に遠ざけるのは多分ギャングの世界とは関わって欲しくなかったからで、結果的にリナルドをも手にかけてしまったと思うと複雑な気持ちになる。ただ、ここの描写は『ゴッドファーザー』の方が1枚上手だとは思う。
ラストのアンジェロがとても切なくて心が苦しかったけど、結局ギャングの宿命というか自業自得でしかない。その点で何も無くなったトニーは警察に捕まる運命にも関わらず、逃げようとして撃たれるのはみっともないと感じた。しかしどこか悲哀を感じる。どんな過去であろうと、死に際が衝撃的だと心が動かされたり、美しく感じるのは人間の性だと思う。ギャングを美化してしまうのは如何なものと思って2つのパターンでエンディングを作ったのかな?

80(2024)
人間

人間