暗黒街の顔役の作品情報・感想・評価・動画配信

「暗黒街の顔役」に投稿された感想・評価

立て続けにポール・ムニ。ずっと藪睨みの表情で、破滅的な主人公を演じる。吹替えなのでセリフのトーンなどを味わえず残念。マシンガン連射とカレンダーの組み合わせの演出が面白い。口笛怖くなるわこれは…。トニーの秘書アンジェロの電話取れなさ加減、きっと最後にこれの伏線回収あるな…?と予想したらやはり。銃撃戦とカーチェイスたっぷり。主人公の悲哀を見せつつも、観ている側の共感は一切受け付けないという強い意思を感じた。
ゆ

ゆの感想・評価

3.0
用心棒からギャングのボスに成り上がったトニー(ポール・ムニ)が、裏切りや暴力を重ねるうちに破滅に向かう話。
 
トニーはモラルを欠いたキャラクターで、裏切りにも暴力にも躊躇がなく、妹に対する近親相姦願望もある。仕留め損ねた敵がいると入院先の病院を襲撃して病室で銃を乱射するほど容赦がない。
殺しの時に口笛を吹く癖が良い。

いわゆるヘイズコードは1934年のPCA(映画制作倫理綱領管理局)の設立と共に本格的に運用開始されるが、1930年には既に業界団体MPPDA(アメリカ映画製作配給業者協会)が採択しているため、1932年のこの作品にも強く影響を与えていてたとえばDVDに収録されているがヘイズコードへの対処のためにこの作品は結末が2バージョン作られている。
ギャング、任侠、実録路線、ニューアクション、及び総ての暴力映画の背骨。
機関銃の音と重ねてめくれるカレンダー。

妹の描き方は『スカーフェイス』より遥かに上。
やくざは妹に甘いものだ。
秘書のキャラクターが良かったです。
演出は決して古びてないし、物語も分かりやすくまとまっててしっかり面白かった。
スカーフェイス観賞後に元ネタを。ラストはスカーフェイスの方が好きでしたが、モノクロ映画でもわかるスーツの仕立ての良さや、ポピーの宝石の輝きは圧巻。
ギャング映画って長いし人いっぱい死ぬし登場人物の関係が複雑すぎっていうイメージを持ってて、見た作品なんてゴッドファーザー(しかも1だけ)くらいしかなかったけど、これは約90分であっという間だった。
えー、これほんとに90年近く前の映画?確かに人がいっぱい死ぬんだけど、殺戮方法の表現がやたらカッコいい。カレンダーめくれる音が機関銃の音とか今聞いてもめっちゃ新鮮だし。直接的な表現が少ないから血がびしゃーってのもないし。
主人公が傍若無人すぎて、個人的には気持ちのいい終わり方(秘書と妹はかわいそう)だったんだけど、ひとえにあの「The world is yours」のおかげだよね。ほんと最後の最後にやられたなぁ。
にしの

にしのの感想・評価

4.5
傲る人の破滅をその目で見よ!有名な映画『スカーフェイス』の元ネタになった昔のギャング映画。冒頭に連邦政府からの警告があるよ。
G

Gの感想・評価

4.9
世紀の天才、ハワード・ホークスの初期の代表作。デパルマの『スカーフェイス』(83年)のリメイク元としても有名。ちなみに、今現在、コーエン兄弟脚本、ルカ・グァダニーノ監督で新たなリメイクの準備が進んでいるらしい。自分が好きなのはやはりデパルマ版ではあるんだけど、この『暗黒街の顔役』の方がよりスマートかつ聡明、そして圧倒的に純度が高い。トーキー草創期における音声の利用、十字架の演出、経済的なストーリーテリング。そして、単純に滅法面白い。どこまで褒めても褒めすぎることはないでしょう。

映画は約4分間の長回しから始まる。マフィアのドンが何者かに暗殺されるシーンであるが、この「何者か」は口笛によって、後に主人公のトニー・カモンテであることが明かされる。トーキー映画が発明されたばかりの1932年に音声を利用した経済的な演出。まさしくホークスは天才だ。

そして有名なのが✖️のサイン。これはキリスト教における十字架、死のモチーフとして全編にわたって用いられている。原題である”Scarface”も然り。傷痕に破滅の予感を覚えさせる彼の生き様は”The World is Yours!”という皮肉に代表される。

あのデパルマは170分という長さの『スカーフェイス』を撮ったが、ホークスは93分でよりスペクタキュラーに撮り上げていた。サイレント時代から映画を撮っているからか、ホークスはショットに対する感性があまりに鋭く、それゆえ光と影の運動だけで全てを語ってしまう。その聡明さとトーキーの邂逅こそが『暗黒街の顔役』として昇華されたように思える。これを鑑賞した当時の観客は、その後の映画史に何を期待すれば良いのか。その途方もなさに祝福を送りたい気持ちだ。
ブライアン・デ・パルマ監督の「スカーフェイス」の元になった作品。「暗黒街の顔役」というタイトルは日本映画にもあるくらいしっくりくるものだが、原題はやはり「Scarface」。顔に「X」の切り傷のあるトニー・カモンテがギャングの世界で、ボスたちを裏切りながら、のし上がっていく姿を描いていく。監督はハワード・ホークス、冒頭から「X」のイメージが散りばめられており、1931年の作品とは思えないほど、なかなかの技巧が凝らされている。

禁酒法時代のシカゴの暗黒街を支配したアル・カポネをモデルにした作品だが、冒頭から社会正義を謳ったナレーションも入り、単なるドンパチのアクション作品ではないことを宣言している。主役の顔に「X」の傷のある男、トニー・カモンテを演じるポール・ムニが、どことなく日本の俳優である原田芳雄を思わせ、雰囲気が似ていて、不思議な迫力を醸し出している。この時代ですでに本格的なカーアクションも取り入れられており、このあたり「名作」として定着している所以かもしれない。
大学の授業で断片的に見ていたがようやく全編鑑賞。
今のところホークスのベストかな〜。

冒頭のシルエットで描かれる襲撃シーンをはじめとする禁欲的な演出と、カーチェイスやクライマックスの銃撃戦などド派手で物量作戦な演出のどちらも楽しめて素晴らしい。
90分チョットの中でこれだけ多くの引き出しがある作品もなかなか無いでしょ。

役者の演技も最高。クライマックスの立てこもりにおける半狂乱演技とかトニーと妹どっちもキマリまくっててヤバい。からのラストの突き放しっぷりね。祭りの終わり感。泣くしかねぇ

今作におけるXマークはCUREの元ネタなんか?
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