人間さんの映画レビュー・感想・評価

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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

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授業で扱うらしいので先に鑑賞。『ジャンヌ・ディエルマン…』っぽさがあるなと感じた。エイダにとってピアノは「声」であったはずなのになぜそれを海に捨てたり、序盤と比べて明らかに愛着を失ったんだろう。ベイン>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

3.9

5、6年前にレンタルして見た記憶があるけどほぼ何も覚えてなかった。脚本がめちゃくちゃ秀逸だなと感じた。初期ノーランの無骨な映像と相まって好きにならざるを得ない。鑑賞中に思ったのは「この作品はあまりに論>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

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哀川翔とママチャリの相性が良すぎる。最初から最後まで言い表せない不穏さがあって緊張した。ちょっとした演出と役者の演技、長回しとダッチアングルによって生み出されるサスペンスが噛み合ってるなと感じた。スト>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

マッティ・ペロンパーの写真が飾られてたのが哀愁を感じさせつつ、微笑ましかった。
主人公が記憶を失くす前と後では同じ人物のはずなのに別人かのようで興味深かった。大袈裟なことを言うと哲学に通じる部分がある
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.1

ドキュメンタリーは扱ってるテーマに興味持って観るけど今回は何となく観た。
芸術活動を政治活動と結びつけるのよく分からないと思ってたけど、この映画を通して巨大な権力に抗う手段としてかなり有効なんだなと思
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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高架下から撮る映像が綺麗すぎる。電車と光に反射した川面、あれ凄すぎるな。三宅唱ってやっぱり凄いんだなと改めて実感した。フィルム撮影っていうのもあって、ストーリーも優しく包み込んでくれる感じだけど、その>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

3.8

ブータンって名前聞いたことあるけど、全くと言っていいほど何も知らないからとてもいい体験になった。ストーリー仕立てではあるけど現地の人とか土地、文化に思いを馳せることが出来た気がする。ルナナ村はとても小>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

相変わらず時系列ごちゃごちゃだったし、量子力学のこと何も分からないから理解出来たかと言われると口ごもってしまう。ただ、オッペンハイマーの葛藤を感じることは出来た。アカデミー賞とテーマの話題性、日本公開>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

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終盤、満身創痍で車を運転するロキ刑事のシーンめちゃくちゃすごいな。車の光、フロントガラスを打つ雨、ぼんやりし始める視界。状況的にもサスペンスがあってハラハラする最高のシーンだった。ヒュー・ジャックマン>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

最初のロープウェイのトンネルから言葉に出来ない凄さを感じた。「やっと濱口竜介を観れた!」って感動した。第二幕に出てくる有馬の滝の迫力が凄い、釘付けになった。一幕目と二幕目の映像は「静」な凄さが目立って>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

3.7

加害者を恨んで、被害者を悼みましょうとかいう短絡的な作品じゃなくて被害者であり、加害者でもある若者への赦しについての映画だった。宗教が争いを生むという側面から批判の声もある一方で必ず誰かの拠り所になっ>>続きを読む

ZOO(1985年製作の映画)

4.4

動物園を扱って人間中心主義の批判を映しているように感じられた。動物を分類したり、腐敗を観察するという倫理的に問題なことを平然とやる人間たちの愚かさ。さらには片足のアルバを対称的でないとしてもう片方の足>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

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これがスクリューボール・コメディなのか…ハチャメチャでドタバタだな。ずっとバカ殿みたいな感じで最初は主人公が不憫すぎて可哀想って思ってたけど、後半から笑えてくるほどアホすぎた。豹はどうやって撮ったんだ>>続きを読む

最も危険な遊戯(1978年製作の映画)

3.8

クザンの面影がありすぎる松田優作がかっこよかった(逆だけど)。話よりも松田優作に惚れ惚れする。車追いかけるシーンはツッコミどころあるけど面白かったな。なかなか観る機会のない映画だからスクリーンで観れて>>続きを読む

駅馬車(1939年製作の映画)

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『フェイブルマンズ』でジョン・フォードが「地平線が画面の真ん中にあるのはだめだ、つまらねぇ。上か下にあるのがいい画だ。」的なこと言ってて印象的だったのを思い出して初のジョン・フォードを鑑賞!先住民の描>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

圧巻の画力。1番最初の海からの戦闘機で鳥肌たった。「さようなら皆さんさようなら!」のセリフ入れて欲しかったな…最後典子の首元にアザがあったのはなんだろうな。
ゴジラとの初対峙を何度も会話に挿しこんでく
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夢二 4Kデジタル完全修復版(1991年製作の映画)

5.0

鈴木清順に慣れたせいかあの世界観が心地よくなってきた。今作は『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』よりも物語調だったが、理解できないところがあった。それを差し置いても造形美っていいのか分からないけど生々し>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

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コメディの中にサスペンスが見出されるストーリーが面白い。職務中に酒を飲むことでどんどんやばい方向に行くのは予想できるし、人間関係の崩壊とか死すらイメージできるからこそハラハラする。序盤から中盤辺りまで>>続きを読む

陽炎座 4Kデジタル完全修復版(1981年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃ面白かった。『ツィゴイネルワイゼン』と同じく不思議な世界観だったけど、不思議とこっちは面白く感じられた。男女のしがらみが実験的(?)な映像とともに映し出されるのが衝撃的だった。原田芳雄の豪>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

4.5

話が全く分からない。見ていくうちにこれが現実なのか夢なのか狂わされていく感覚。浪漫って言われるだけあって西洋的な日本の姿があって不思議な感覚になった。ちょっと怖くもあったけど…違和感だらけで不気味>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.4

冒頭のワンシーンから「あ、これ絶対いい映画だ」って思った。臭い話かもしれないが残酷なほど純粋なキャサリン・クリンチの演技に心を打たれた。綺麗なアイルランドの風景とぎくしゃくしている家族のコントラストが>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

先行上映
近づきそうで近づかない2人の距離感が絶妙に描かれていた。『ビフォア・サンライズ』が好きな人は好きだと思う。A24が関わっていなかったらここまで話題になることはなかったんじゃないかなとも思う。
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太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

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たまたま本屋で『太陽を盗んだ男』の脚本を手に入れたので鑑賞した。ストップモーションやジャンプカットを使って小気味よく話が進んでいくので時間を感じさせず楽しむことができた。当時の新宿、渋谷辺りが映ってい>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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労働者三部作を観ていないことに気づいて鑑賞。『枯れ葉』と構成は似てる気がした。カティ・オウティネンが演じた女性の性格が少し違うくらい。でも面白い。カウリスマキ作品はストーリーは割と普通だけど、オフビー>>続きを読む

コラテラル(2004年製作の映画)

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空撮できらびやかなLAを見せながらヴィンセントとマックスがやっていることが対比されることでよりやるせなさを感じる。ヴィンセントがラストに言うセリフで更にそれを感じる。トム・クルーズが悪役演じるの多分見>>続きを読む

ラ・シオタ駅への列車の到着(1895年製作の映画)

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『瞳をとじて』でパラパラ漫画のように出てきた。今では割と普通という印象を受けるが、これが19世紀撮られたとは思えない。

44(2024)

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

『ミツバチのささやき』と『エル・スール』よりもスペイン内戦に言及しているシーンは少なかった気がする。今作では『ラ・シオタ駅への列車の到着』の引用(?)やドライヤーについて話すなど映画の過去と記憶をなく>>続きを読む

疑惑の影(1942年製作の映画)

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『エル・スール』にこの映画のポスターが出てきて気になって鑑賞した。相変わらずヒッチコックは面白い。疑惑が確信に近づく時のクローズアップとハラハラ感が最高すぎる。奇跡が疑惑になるの怖いな…

42(20
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

4.4

長回しが多く、多摩ニュータウンに流れるゆったりした時間を感じることが出来た。ワンシーン平均したら2、30秒くらいあるかな、わからんけど。あくまでも自分の解釈だが、都市化が進むにつれて人の匿名化、つまり>>続きを読む

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

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大航海時代に端を発するスペインやアメリカからの支配という背景で生まれたキューバ音楽に矜恃をもっているように感じた。それは決して迎合しているわけじゃなくて…なんか心の底から音楽を楽しむことから来るものの>>続きを読む

ピクニック(1936年製作の映画)

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水と生い茂る木々がとても綺麗。舟に乗るシーンはどれも綺麗でこれを撮るためにこの映画を作ったんじゃないかってレベル。アンリエットがピクニック先で出会った男性とキスした後に風が強くなって雲が動き始めるシー>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

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誰から見ても分かる決定的な山場がないのに凄くいい。クラブのシーンはとても好きだったな、青白い光の感じが。バイト先の先輩が酔っ払った勢いで店長に向かって「好きです!!」って言うところめちゃくちゃ笑った。>>続きを読む

メトロポリス(1927年製作の映画)

5.0

メトロポリスの造形、人造人間誕生の瞬間、マリアが人造人間になったことで絶望する主人公、水浸しになり崩壊していく街を駆け巡る子供たちなど上げればいくらでも出てくる凄すぎるショット、シーンの数々。今まで観>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

5.0

画面いっぱいに動いている人物や猫がとても印象に残った。上下左右、斜め、あらゆる方向から人物が行き来するのをとても楽しめた!ジュールおじさんのキャラクターと蓄音機の周りで群れる猫のショットがとても好き。>>続きを読む

田園に死す(1974年製作の映画)

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あまりに前衛的すぎる。話の筋が全く見えないし、映像がカオスすぎる。不気味ではあるがどこか美しいとも感じる。雰囲気的には『8 1/2』っぽかったな。20年前の主人公と現在の主人公が将棋をさすシーンが好き>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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写真、文章、映像とともに語られてた。理解不能というか第二次世界大戦や五月革命をリアルに経験したフランス人にしか分からないような…
ハンナ・アーレントやカフカ、アルジェリア戦争に言及しているあたりからも
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