きっこ

扉をたたく人のきっこのレビュー・感想・評価

扉をたたく人(2007年製作の映画)
3.4
蓋(扉)をあけてびっくり


最初は音楽が楽しくて、
やっぱり音楽の力って素晴らしいわ~
こういう単純なお話もたまには良いわね~
とほのぼのしていたら、そうは問屋が卸さない。とばかりに、雲行きが怪しくなってきました。
 個人的には心の交流だけでも問題なかったのですが、今の世情ではそれだけでは駄目なんでしょうね。そんなことをぼ~っと考えていたら無性に侘しくなってしまいました。

様々な状況で、誰しも訪れる側、られる側になり得ますが、
その間にある壁は開閉できる扉だったり、厚い壁だったり。時代の情勢で壁が薄くなったり厚くなったり、扉が壁に変化したり。
ノックしても通じないことがあるかもしれない。けれど、ノックすることをやめてしまったら、それはどんどん分厚くなっていく。
 今回の映画を観てやっと、9.11以降の変化を知った無関心な自分がどうこう事書くのはどうかと思うけれど、
本作は私のような無関心である人にとって、喚起するきっかけにはなるかもしれません。
実は、後半もうちょい踏み込んだものを期待してましたが、
あえてその手前でとめた事に意義があるのやもしれません。
(映画生活投稿分2009)
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