くろいひと

浪華悲歌のくろいひとのレビュー・感想・評価

浪華悲歌(1936年製作の映画)
3.5

なんと力強い映画だろう。

大阪の街で生きるひとりの女が堕ちていく姿を、突き放したようなリアルなタッチでえがく。
コメディとリアリズムが不思議なバランスをたもっている作品だ。
アヤ子のとる大胆な行動には、そこにいたる心理描写がすっぽりと抜け落ちており、観るものを善悪の彼岸に連れさってしまう。

わずか19歳でそれを演じきってしまう山田五十鈴のおそろしさよ。
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