本作を観て改めて感じるのは溝口の女性の描き方についてだ。しばしば溝口は社会の荒波に翻弄される女性を描くと言われる。確かにそうだが、それ以上に溝口は主人公の女性の心の中に広がるダークサイドを描くのが上…
>>続きを読む戦前日本における男尊女卑と家父長制。その中で、女であること自体がすでに社会的制約であり、ましてや一人で自立して生きることの困難は想像に難くない。不良少女としての強がった言葉とは裏腹に、あや子の顔に滲…
>>続きを読む溝口健二、名作『残菊物語』以前の戦前からあまりの画の強度と、山田五十鈴さんはじめとする役者陣の凄みに圧倒される。
ある種『雨月物語』等々で世界の映画祭が評価というのがちょっと遅いのかも?くらいのレ…
画質も音も相当劣化が進んでおり、この映画の本来の姿ではないのだろうなという印象。邦画は30年代のものになると途端に素材が劣化してしまうことが多いように思うが、ハリウッド映画であれば十分な質を維持し…
>>続きを読む小さい🐶を布団に入れてる女から野良犬みたいな女の正面突きまで、さらさらと流れ落ちる71分。山田五十鈴19歳にしてどんだけのもん背負わされてるねん。
花王石鹸、キャバレー赤玉、と、夜の大阪のネオンは…
面白かった!
音声にノイズがあるくらいに昔の作品であるのに、人物のセリフや物語は新鮮ですらあって素晴らしかった。
京言葉がたおやかでいい。
コミカルで面白く、それでいてしっかりと自らの脚で立つ女…
「なにわえれじい」
溝口健二監督×依田義賢脚本×山田五十鈴主演。
父親の借金や兄の学費の工面のため妾になるが、それにより不良少女と断じられ、世間からも家族からも突き放される悲劇。
関西弁の台詞…
山田五十鈴がドアップになるラストシーンがとても良い!
どん底に落とされながらも前を向く、強い女の表情だ。
心斎橋そごう(十合)と思われる、在りし日の百貨店が登場するシーン。
化粧品売場やエレベータ…
田中絹代でやれば悲劇になる話をあえて山田五十鈴を配して、しっかりと「不良」のお話になっている。
文楽座ではキッと睨み返し不倫の現場を押さえられても怒鳴り返す。彼氏に情事を明かす際も影に顔を落とす…
話の内容はともかく、映画の雰囲気は90年近く前のものとはとても思えない。方言だから古さを感じにくいのかもしれない。元同僚の男がアパートに来たときのカメラワークがなんかすごかった。これまで無意識のうち…
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