勝沼悠

男はつらいよ 葛飾立志篇の勝沼悠のレビュー・感想・評価

男はつらいよ 葛飾立志篇(1975年製作の映画)
4.0
 向学に目覚めた寅さんがとら屋に下宿する美人の考古学助手に個人授業を頼む。

中期以降では珍しい寅さんが自ら身を引くパターンではない作品。ただ、マドンナも誰かと結ばれるわけではなく、寅さんをどう思っているのかはあえて伏せている。
最初の桜田淳子と後半に出てくる大学教授のキャラクターが良い。
学がないと嘆く寅さんだが、大学教授が思わず「師だ」と叫ぶほど人情についての頭はいい。寅さんのアリアがその仕掛けとして使われるのは素晴らしい。

 寅さんが身を引くパターンでなくても作品のクオリティは高く、シリーズの成長が見える一本。
勝沼悠

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